専攻分属の手引
まず皆さんに質問:「シャボン玉,マヨネーズ,細胞膜の共通点は何でしょうか?」 私が期待する答え:「これら三つはどれも,両親媒性物質といわれる分子の働きによって,熱力学的な準安定状態としてその形態を維持している系」です. 当研究室ではこれら“両親媒性物質”(水になじみ易い部分となじみ難い部分を併せ持った分子)が形成する多様な分子集合体を研究対象としています.もう少し具体的に,現在進めている研究内容を列記しましょう(意味のわからない専門用語は各自で調べよう). 1) リン脂質が水中で形成する小胞体(ベシクル,リポソーム)や液晶の力学特性と構造安定性の解明 2) 泡の生成機構と動的表面張力との関係の解明 3) 界面活性剤が水溶液中で形成するミセルやリオトロピック液晶などの自己組織化構造に関する研究 4) コロイド分散系(ラテックス粒子や粘土鉱物)の分散安定性に対する吸着分子の影響 5) 希少糖およびその誘導体の溶液物性に関する研究 以上の研究は全て,物理化学(特に化学熱力学)を基盤として進めています.専攻生は様々な装置を使って測定を行い,得られた結果をコンピュータで解析する ことになりますが,自分のデータに自信と責任を持ち,そのデータが何を意味しているかをじっくりと,科学的に考えられるようになって欲しいと思っていま す. |
参考資料集
・香川大学農学部HP用 研究室紹介 (2017年7月)
・香川大学広報室発行「大学フォト」カダイ・ラボ (2016年7月)
・香川大学農学部HP用 研究室紹介 (2015年3月)
・香川大学農学部HP用 研究室紹介 (2010年4月)
・日本油化学会誌「オレオサイエンス」の研究室紹介記事(2009年5月号)
・香川大学農学部後援会会報の研究室紹介記事(2008年2月・第6号)
・香川大学メールマガジンの研究室紹介記事(2006年11/6)
・香川大学 「学園の志おり」 研究室紹介記事(2005年度 第6号:7月20日発行)
・農学部 「開学100周年記念誌」 より (2003年3月)