研究紹介
1.アミノ酸由来の不斉触媒を用いた光学活性アルコール合成
香料、医薬品、農薬などの生理活性物質の多くは不斉炭素を有するため,立体異性体が存在し、それらの動物や植物に対する生理活性は異なることが多い。したがって、生理活性物質の有機合成において、鏡像異性体を選択的に作り分ける不斉合成が重要な課題となっている。本研究室では,天然のL-グルタミン酸からラクタムアルコール誘導体を分子設計・合成し、これを不斉触媒として用いるケトンの不斉還元反応を開発し、芳香族ケトンでは、高いエナンチオ選択性で不斉還元が進行することを見出している。さらに脂肪族ケトンやトリフルオロメチルケトンなど、これまで高いエナンチオ選択性が難しかったケトンの不斉合成に取り組んでいる。
2.希少糖を利用した生物活性物質の合成と活性評価
希少糖とは、自然界に微量にしか存在しない単糖で、例えばD-フルクトースのC-3位の立体異性体であるD-プシコースやD-グルコースのC-3位の立体異性体であるD-アロースは代表的な希少糖である。当大学の希少糖研究により、D-プシコースやD-アロースは様々な生理活性を持つことが明らかにされてきた。これらの希少糖の生理活性をさらに向上させるため、親水性であるD-アロースに疎水性の直鎖脂肪酸を導入たD-アロース脂肪酸エステルを合成し、それらの植物生長抑制活性および白血病がん細胞増殖抑制活性の活性評価や構造‐活性相関解析に取り組んでいる。
最近の発表論文等
研究者総覧へhttp://www.ceda.kagawa-u.ac.jp/kudb/servlet/RefOutController