人間が病気にかかるように、植物も病気にかかります。
しかも植物は動物と違ってその場から逃げることができません。その為、植物は様々な手段を用いて病原体の攻撃に対して「抵抗」します。
本研究室では病原体攻撃時における植物体内の抵抗性誘導機構に深く関与する、植物ホルモンであるジャスモン酸に着目し、そのシグナル伝達機構などを、主にイネを用いて遺伝子レベルで解析しています。
さらに、植物から放出される複数の植物揮発性物質(香り成分)が、病害虫抵抗性に深く関与していることを、イネやカンキツを用いた研究から見出し、現在その香り成分を合成する酵素遺伝子群の解析を詳細に行っています。
また、これまでの「植物‐病原体」の2者間での植物病理学研究とは異なった視点で、元九州沖縄農業研究センターの菅野らによって見出された「植物‐昆虫‐病原体」といった、3者間の関係(3者間相互作用)にも着目して研究を行っています。
将来的には、病害抵抗性に重要な遺伝子を特定し、少しでも病気に強い作物の作出を試みたいと思っています。
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