[1] ビクトリアトリバネアゲハ亜属(Subgenus Aetheoptera Rippon, 1890)17)
この亜属にはBougainville島(PNG)とSolomon諸島に生息するビクトリアトリバネアゲハ (O. (A.) victoriae) だけが属す。
1) ビクトリアトリバネアゲハ (O. (A.) victoriae (Gray, 1856)) (7亜種)
Solomon諸島には別亜属のメガネトリバネアゲハの亜種(O. (O.) priamus urvillianus)も生息するが、最南東であるMakira島には生息しないので、分布上ではビクトリアトリバネアゲハが全トリバネアゲハの最南東に生息していることになる。
特徴として次のことが列記される。
- ♂の翅形は前・後翅とも細長い楕円形で、後翅内縁に明瞭な切れ込みがある。
- ♂の前翅の中室端はしゃもじ状に拡がり、第2 – 4脈は互いに接近する。また、第9脈が第7・8脈の共通脈と同じ位置から発する。
- ♂の翅の斑紋は前翅では亜翅頂斑と翅底斑とで形成され、外縁部に性標がある。
- 側胸部の紅毛や眼球後縁の白色の縁取りがない。