- 亜種 reginae Salvin, 1888 25)[♂,♀]
=maramasikensis Morita, 200016) [♂, ♀](Mara Masike諸島)
(分布)SOLOMON 諸島: Maana’ oba (=Ngwalulu) 島, Malaita 島 (Malu’u, Dala, Fiu川流域 , Auki (=Aoke), Ru’u村 , Fulo, Su’u), Maramasike (= Small Malaita)島, Ulawa 島。(基産地:Malaita島の北西湾) [分布図6]
(発見と原記載のエピソード)Woodfordが1886年5月26日、マライタ島の北西湾で採集した♂をもとに、その翌年の1887年SalvinとGodman、およびGrose Smithがそれぞれvictoriae としてほとんど同時に発表し、本種の♂の最初の記載となった。というのは、Gray (1856) の♀の報告以後、♂は31年間発見されずにいたからである。しかし、Salvinは、それまで不確実であったGrayの♀(Macgillivray採集)の採集地をガダルカナル (Guadalcanal)島のワンダラー(Wanderer)湾と想定し、Woodfordが同島のアオラ (Aola)で採集したものが真のvictoriaeの♂で、マライタ島のものは別種と考え、2♀♀(1886年5月27、28日、Woodford採集)とともに1888年に再発表した。なお、reginaeはRegina(現女王)、つまりVictoria女王へ、種victoriaeと同じく献上の意味を含めて命名されたものと思われる。
(特徴)♂の後翅が黒化し、♀の斑紋に黄色が広がる上、前翅の翅底斑に金緑色鱗が散在するのが特徴である。
(斑紋)♂:亜翅頂斑は三角形をしていて亜種中で最も大きい。後翅は他の亜種と異なり亜外縁斑は小さく、内縁側では翅のほぼ半分は黒化する。
♀:灰白色の斑紋は亜種epiphanesと同じ程度に大きく、翅基部から明るい黄色が広がり、わずかに緑色鱗を含む個体も多い。
(変異) ♂-f. brossardi Deslisle, 19954) (➡victoriae )
♂-f. rubesco Haugum & Low, 197812): (前翅の色調変異)亜翅頂斑が銅赤色で、光沢に乏しいもの。
♀-f. zeuneri Deslisle & Sclavo, 20158): (前・後翅の斑紋変異) 翅の縁取りと翅脈以外に黒色部はなく翅基部の黄色を除けば灰白色。白化型。(➡isabellae )
♀-f. polychroma Haugum & Low, 197812): (特殊な個体変異)前・後翅の表裏両面の斑紋の色が(正常な)クリーム色と(異常な)朱赤色鱗の視覚上の合成によりオレンジ色に見える。人工的要素が強いと思われる。