5. 亜種 rubianus (Rothschild, 1904)19) [♂,♀]
(分布)SOLOMON 諸島: New Georgia 諸島(Vella Lavella島, Mbava (=Mbagha)島, Kolombangara島, Ghizo島, New Georgia島, Ranongga島, Rendova島, Tetepare島, Nggatokae島)。 [分布図3]
(発見と原記載のエピソード)飛翔している本亜種(♂)を最初に観察したのはWoodford(1888)で、彼はそれを採集することはできなかった。その後、採集のためにレンドバ島を訪れた Meekによって、1904年2月2♂♂(そのうちの1♂が完模式標本)と多数の雌(多分11♀♀と思われる)がはじめて採集された。同年、Rotschildはそれらの標本をもとに、最初の発見地ルビアナ(Rubiana)諸島にちなみ、新亜種 rubianus として記載した。
(特徴)両性とも斑紋や色調などが他の亜種とは明らかに異なり、識別は非常に容易である。
(斑紋)♂:斑紋の色が他の亜種に比べ濃い緑色。前翅の亜翅頂斑は著しく小さい(多くは2個)。後翅では緑色斑が一様に広がり、他亜種と異なり緑色斑の外縁はぼかし状になり、亜外縁部の半透明黄金斑点を欠く。
♀:灰白色斑は大きく純白で、翅基部の斑紋に黄色が少ないのが特徴である。
(変異) ♂-f. noellann Rumbucher, 197324): (前翅の斑紋変異)亜翅頂斑と翅底斑が散在する緑色鱗よって融合するもの。
♂-f. ohyai Deslisle, 20045): (後翅の斑紋変異)亜外縁に半透明黄金斑点が存在するもの。
♂-f. niclasi Schäffler, 200126) (➡regis)
♀-f. gisoensis Haugum & Low, 197812): (前・後翅の斑紋変異) 斑紋が拡大するもの。
♀-f. firmini Deslisle & Sclavo, 20158): (前・後翅の斑紋変異)斑紋が著しく縮小するもので、前述の変異と対比をなすもの。
♀-f. szabadosi Deslisle & Sclavo, 20158): (前翅の斑紋変異)通常は分離する亜翅頂斑が分離しないもの。
♀-f. jessicae Goussey, 200610): (前翅/後翅の色調変異)前翅両面で、中室上半分と翅室の基部に青色鱗が存在し、後翅両面の内縁部にも存在するもの。(➡victoriae )