21. 亜種 caelestis (Rothschild, 1898)50)[♂, ♀]
(分布)PNG [MBP] Louisiade諸島(Misima (=St. Aignan)島, Motorina島, Panatinane (=Henemahei)島, Ninoa島, Sudest (=Tagula)島, Yela (=Rossel)島。 [分布図27]
(発見と原記載のエピソード)Rothschild (1898)の原記載は、Meekが1897年8月から11月にかけてセント・アイグナン島で採集した3♂♂14♀♀の標本に基づいている。Meekにとっても最初のOrnithopteraの発見であったため、「このチョウは壮麗で、非常に大きく、青色と黒色をしている。私はこの発見に喜び勇んだ」と述べているようにその驚きと喜びは絶大であったようだ。なお、亜種名caelestisはラテン語の「空」を意味し、♂の斑紋の色に基づいて命名されたと思われる。
(特徴)東(Louisiade諸島)へ移行する第3(最南)ルートの終点。おそらくEngineer諸島産の亜種poseidonから派生したと考えたい。しかし、本亜種はSolomon諸島に生息する亜種urvillianus を除く唯一の青色系の亜種であり、両性とも小型である。なぜ隔離されたこの亜種が青色なのか興味深い。
(斑紋)♂:斑紋形式(前翅の亜前縁帯、臀縁帯および亜外縁帯はそれぞれ幅が狭く、そして翅央部条斑は欠如する。後翅の黒色鱗の陰り、亜前縁室の半透明黄金斑の出現率(ほぼ1/2)、黒色外縁帯の広さなど)は亜種urvillianusに似るが、はるかに小型であり、翅形や斑紋の一部(前翅は幅広く、後翅は丸味を帯び外縁は波状、裏面の中室の縁取りが亜種urvillianusのように全周ではなく上半分)が異なる。
♀: 小型。淡色型であるが地色は亜種urvillianusより濃いものが多い。後翅の波状の凹凸が著しい。前翅の中室斑は大きく、花弁状のものが多い。後翅の翅室斑は楔状で中室まで達せず、灰褐色鱗で覆われる。後翅裏面の亜外縁は黄色。
(変異)♂-f. flavopunctata Rousseau-Decelle, 193553): (後翅の斑紋変異)亜外縁に数個の半透明黄金斑点が存在するもの。亜種poseidon ♂-f. poseidonと同じ変異。
♂-f. caerulorispunctata Deslisle & Sclavo, 201510): (後翅の斑紋変異)亜外縁に濃く覆われた黒色鱗の取り残しによって小さい円形の斑点が3個存在するもの。