19. 亜種 miokensis Ribbe, 189845) [♂][♀: urvilliana, Oberthür, 187934)]
= urvilliana, Oberthür, 187934) [♂,♀] (Duke of York 島, PNG )
(分布)PNG [NBP] Duke of York 諸島 (Duke of York島, Makada (=Palipal) 島, Ulu (=Credner) 島, Utuan No. 2 (=Mioko) 島)。 [分布図25]
(発見と原記載のエピソード)本亜種の最初の報告者はMathew (1888)である。彼はその時の模様を次のように記述している。「私は、このすばらしいOrnithoptera durvillianaをその生息地ではじめて見た時の強烈な印象を決して忘れないだろう。それは、1882年11月22日ミオコ島でのことである。(中略)上陸と同時に、森林へ通じる小路を歩きはじめてそれほど歩かないうちに、2本の木の間を空高く行き来して飛びまわっている大きなチョウを見た。翅の表面は青と黒。裏面は金緑色に斑点がある。それがどんなチョウであるかはすぐ判った…….」。その後、Pagenstecher (1894)はurvillianaの変異として記載したが、彼もとくに命名はしていない。最初の命名者はRibbe (1898)である。彼は、主に♂の色彩によりPagenstecher (1894)の記載したPegasus (= poseidon)の変異BornemanniとUrvillianusとの移行型と考えた。なお、miokensisは生息地Mioko島にちなむ。
(特徴)New Britain島(亜種bornemanni )とNew Ireland島(亜種urvillianus )との間にある狭い限られた環境にのみ生息する亜種で、両亜種の中間的な存在。自然雑交種の可能性がある。
(斑紋)♂:斑紋の色は緑青色から青色まで変化に富み不安定である。翅形および斑紋は亜種bornemanniに似ているが、斑紋の色は青色が勝り、亜種urvillianus に似る。
♀:淡色型。亜種urvillianusに酷似する。翅の地色は淡褐色から暗褐色まで個体差がある。後翅の暗色翅室斑点は亜種bornemanniより幾分大きく、円形ではなく亜種urvillianus と同様にハート型である。
(変異) ♂-f. icarus Schäffler, 200155): (前・後翅の色調変異)斑紋が純緑色で亜種bornemanni に似るもの。
♂-f. mavricki Deslisle & Sclavo, 201510): (前・後翅の色調変異)前翅の斑紋の色が明るい青色で、後翅ではさらに顕著で、翅の周辺部が淡い青色のもの。