20. 亜種 urvillianus (Guérin, 1830)20)[♂][♀: urvilliana, Salvin & Godman, 187754)]
= urvilliana, Salvin & Godman, 187754) [♂,♀](New Ireland島)
= burkei (Clark, 1944)5) [♂, ♀] (S. Solomon Islands)
(分布)PNG [NIP]St. Matthias 群島(Mussau島), New Hanover島, New Ireland 島, Tabar島, Lihir群島 (Lihir島),Tanga群島(Malendok島), Feni諸島(Ambitle島),[NSP] Green諸島 (Nissan島), Buka島, Bougainville島; SOLOMON 諸島 (Shortland群島 (Fauro島, Shortland島), Treasury諸島 (Mono島), Choiseul島, Vaghena島, New Georgia群 (Vella Lavella島, Mbava島, Ranongga島, Ghizo島, Kolombangara島, Vona Vona島, Rendova島, Telepare島, New Georgia島, Vangunu島, Nggatokae島), Ghaghe島, Santa Isabel島, Mbero島, San Jorge島, Russel諸島 (Mbanika島), Savo島, Guadalcanal島, Nggela (=Florida) 諸島 (Mbokonimbeti (=Sandfly)島, Nggela Sule島, Nggela Pile島, Tulaghi島), Malaita島, Maramasike島, Ulawa島。[分布図26]
(発見と原記載のエピソード)最初の発見は、フランスの軍艦“Coquille”号による科学調査(1822-1825)において、ニュー・アイルランドのポート・プラスリン(Port Praslin)で採集された♂である。この調査結果の報告は甲殻類、節足動物および昆虫類の三部よりなっている。図版の表題は1826年で、昆虫関係の図版は1830-1832年に、そのテキストは1838年に出版された。Duperreyを代表者とする昆虫類の報告書で、urvillianusを記載したGuérinは、テキストを記述した時はGuérin-Ménevilleと変名している。ここでは図版の出版を最初の報告とした。また、♀に関する記載はSalvinとGodman (1877)で、ニュー・アイルランドでBrownによって採集された標本に基づいている。なお、urvillianusは、この科学調査で昆虫の採集も行った自然科学者J.S.C. Dumont d’Urvilleに献名されたものである。
(特徴) すべてのトリバネアゲハの分布域の東限に当たる(第1ルートの終点)。分布域も広大で、直線距離にして約2,000Kmにも及ぶ。そのため ♂ の斑紋の色彩変化は一様ではない。総括すれば、♂では北西では緑色を帯びた青色であるが、南東へ移行するにつれ濃い青色になる傾向がみられる。
(斑紋)♂:亜種miokensisに似て前翅の翅頂は尖るが、後翅は丸味を帯びる。前翅では亜前縁帯は狭く、臀縁帯は小さく外縁帯と繋がらない。翅央部条斑はない。後翅の黒色翅室斑点は丸く大きい。黒色外縁帯は幅広く、個体によっては二重になることがある。亜前縁室の半透明黄金斑点はおよそ半数には存在する。
♀:淡色型。亜種miokensisに酷似し、両者の識別は困難である。
(変異) ♂-f. radiata Rousseau-Decelle, 193553): (前翅の斑紋変異)肘脈および第1b脈から第2-3脈に沿って亜外縁帯まで青色鱗が線状に伸びるもの。亜種 bornemanni ♂-f. viridilineataと同じ変異。
♂-f. flavomaculata Ribbe, 189845): (後翅の斑紋変異)亜前縁室内に半透明黄金斑が存在するもの(本亜種のほぼ半分はこの型に属する)。
♂-f. viridescens (Kaiser, 1917)25): (前・後翅の色調変異)斑紋の色が青色ではなく緑色をしたもの。
♂-f. burkei (Clark, 1944)5)(=cyaneus Deslisle, 20047))(前・後翅の色調変異)斑紋の色が暗青色のもの。
♂-f. sapphirinus Deslisle, 20047): (前・後翅の色調変異) 斑紋の色が純青色のもの。
♂-f. kamei Deslisle, 20047): (特殊な個体変異) 前・後翅のすべての黒色斑が欠如し、斑紋の色が淡い青紫色をしている。後翅には大きな亜前縁室黄金斑と小さい亜外縁黄金斑列がある。
♀-f. fuscapallida Rousseau-Decelle, 193553)(= sapphirinus Deslisle, 20047)): (前・後翅の斑紋変異)翅の地色が淡い黄褐色で、前翅の斑紋は消失し、後翅の翅室斑も暗く不明瞭なもの。
♀-f. pallidus Deslisle & Sclavo, 201510): (前・後翅の斑紋変異) 前翅の斑紋が異常に大きく、中室斑も上半分を占める。後翅の翅室斑も翅室一杯に広がるが、暗色翅室斑点は小さいかまたは消失する。