3.亜種macalpinei Moulds, 197432) [♂,♀]
(分布)AUSTRALIA [Queensland州] Cape York半島(Iron Range 国立公園, Lloyd湾地域, Claudie川流域, McIlwraith山脈 (Coen), Silver Plains, Port Stewart)。[分布図11]
(発見と原記載のエピソード)この新亜種はオーストラリア博物館に所蔵されていた46♂♂, 50♀♀の標本を基に記載された。これらの標本の多くはMonteith (1972) によりO. (O.) priamus pronomusとして包括されていたものである。完模式標本はクローディー川地域で、1974年5月24日A. & J. d’Apiceによって採集された♂である。亜種名は同館(Sydney)の昆虫学および節足動物部門の主任であったD. K. McAlpine博士に因む。
(特徴)Australia大陸に生息する4つの亜種の一つ。中・小型の亜種で、およそ200Km北に分布する亜種pronomusや、およそ240Km南に生息する亜種euphorionにも類似するため両者の自然雑交と考える研究者もいる(Deslisle & Sclavo, 201510))。
(斑紋)♂:翅形は丸味を帯びる。前翅の翅央部条斑は欠如または微細。臀縁帯は狭く、亜外縁帯の波状は軽度である。後翅の黒色翅室斑点は丸く、中等度の大きさで4ないし5個存在する。
♀:翅形は丸味を帯びる。前翅の斑紋はすべて揃い、暗色の陰りは軽度で白い。後翅の翅室斑は内側に向って矢状となる。暗色翅室斑は中程度で孤立する。
(変異)♂-f. pabloi Deslisle & Sclavo, 201510): (前翅の斑紋変異)中室内に淡い緑色斑と翅央黒色部の亜翅頂部に2個の緑色条があるもの。(➡poseidon)
(食草)タガラウマノスズクサ(Aristolochia tagala)、ヨークウマノスズクサ (Pararistolochia peninsulensis)、ゴクボソウマノスズクサ (P. linearifolia)30)。