3.亜種atlas (Rothschild, 1908)21)[♀][♂: goliath, (Rothschild, 1904)20)]
= goliath, (Rothschild, 1904)20) (Geelvink(=Etna)湾)
(分布)INDONESIA [Irian Jaya] Onin半島 (Fakfak (=Kapaur)), Bomberai半島 (Bintuni湾地域), Etna湾地域。 [分布図53]
(発見と原記載のエピソード)Dohertyがオニン半島のカパウル(Kapaur)で1897年1月と2月に採集した2♀♀に基づいて、正式にatlasと命名記載したのはRothschild (1908)である。しかし、彼はそれより4年前の1904年に、ヘールヴィンク(Geelvink)湾の近くで採集された1♂(採集者は土着民かまたは混血者)と上記の2♀♀についてはすでに報告している。なお、亜種名はギリシャ神話の巨人神Atlasにちなむ。
(特徴)殆んど知られていない亜種。現存する標本が極めて少なく、他亜種との比較検討が不十分である。特にHaugum & Low (1979)8) が分類した‘いわゆる中央山脈産(=Maoke山脈)の高地性亜種atlas’ や平地性の亜種sorongensisとの関連性の検討が必要である。
(斑紋)♂:名義タイプ亜種に似て肘状帯の黒色鱗の陰りが強いが、他亜種との識別は困難である。
♀:亜種sorongensisに似るが、前翅の翅頂斑はそれほど大きくなく目立たない。後翅では翅室斑の内側は黒色鱗の陰りが少ないため、より明るい白色である。