2) ゴクラクトリバネアゲハ (Sp. paradisea Staudinger, 189316))
Ssp. flavescens (Rothschild, 1897)(エトナ湾亜種)
Ssp. chrysanthemum Kobayashi & Koiwaya, 1979(アルファック山脈亜種)
f. loc. (?) sabinae Schäffler, 2001(ナビレ地域変異)
f. loc. (?) kotaseaoe Dufek & Schäffler, 2006(ウォンデイウォイ山脈地域変異)
*Ssp. (?) wosimiensis Deslisle & Sclavo, 2012(ワンダメン湾南部亜種)
Ssp. detanii Schäffler, 2001(スノウ山脈亜種)
Ssp. paradisea Staudinger, 1893(名義タイプ亜種)
Ssp. borchi Haugum & Low, 1974(ニューギニア島北部亜種)
*Ssp. demeter So & Sato, 1998(クツブ湖周辺亜種)
アルファックトリバネアゲハ (O. (S.) arfakensis ) の独立により、これを除いたゴクラクトリバネアゲハ (O. (S.) paradisea ) は2地方型を含む7亜種に分類される。しかし、分類の正確さを期するために必要な標本数が足りない地域がまだ数多く存在する。本種はNew Guinea の中・低地の熱帯降雨林に生息し、主として北側に分布し、南側に生息するヒレオトリバネアゲハ (O. (S.) meridionalis )との棲み分けをしている。本種はアルファックトリバネアゲハ(O. (S.)arfakensis )とともに♂が優美な先細りの尾状突起を持つのが特徴である。
(分布)New Guinea本島, Masi-Masi島, Kairiru島。[分布概念図 9]
(垂直分布)海抜 0 – 1, 000m。
(斑紋)♂:前翅の亜前縁帯は翅頂部で前種arfakensisほど拡がらず、色も単一色であるが、肘状帯は広い。後翅の半透明黄金斑は広がらない。尾状突起が長く、基部内縁側は黒色ではなく緑色。腿節は黄白色の鱗粉で覆われる。亜種間の相違は軽微である。
♀:前・後翅とも斑紋は小さく、褐色鱗で覆われる。後翅の翅室斑の色が亜種により白色または黄色に分かれる。腿節は黄白色の鱗粉で覆われる。
(食草)フトミャクウマノスズクサ (Aristolochia crassinervia )、ピテクルスウマノズクサ (Pararistolochia pithecurus )、モマンドールウマノスズクサ (P. momandul )、ゴクラクウマノスズクサ (P. paradisiana )10)。