4.亜種detanii Schäffler, 200114) [♂, ♀]
(分布)INDONESIA [Irian Jaya] Timika, Otakwa川流域, Yahukimo。 [分布図37]
(発見と原記載のエピソード)Haugum & Low (1979) が著書Monograph 1(3)の中で、Otakwa川-Snow山脈にO. paradiseaが生息していることをすでに述べているが、有用な標本は寡少であった。1996年7月、Otakwa川の下流近くのTimika で再発見され、9♂♂・13♀♀に基づいてSchäffler氏がdetaniiとして記載した。この亜種名はBali島在住の偉大なチョウの研究家である出谷裕見氏に因む。
(特徴)低地性と高地性とがあるが、顕著な相違は見い出せない。
(斑紋)♂:本亜種の固有の特徴は見い出せない。腿節は黄色。
♀:翅の地色は濃い黒褐色。前翅には中等度の大きさの中室斑と短い亜翅頂斑があり、亜外縁斑は微細、翅室斑は第2室の小斑以外は欠如する。後翅の翅室斑の亜外縁は濃い褐色鱗で覆われ暗い。腿節は黄色。
(変異)次のような変異が知られている。
♂-f. bankoi Deslisle & Sclavo, 20121): (前翅の斑紋変異) 亜前縁帯は亜翅頂部で、そして肘状帯も中室内へ侵入するほど広がり、翅央黒色部が狭くなるもの。
♂-f. nigrumpunctata Deslisle & Sclavo, 20121): (後翅の斑紋変異)裏面第6・5室に異常な小さく丸い黒点が計2個出現するもの。
♂-f. hancocki Deslisle & Sclavo, 20152): (前翅の色調変異) 亜前縁帯の特に亜翅頂部と亜前縁部がほぼ青緑色に変化したもの。
♂-f. noirae Dufek & Schäffler, 20063): (前翅黒化型)肘状帯に黒色鱗が濃く散在するもの。
♀-f. noctis Dufek & Schäffler, 20063): (黒化型)前・後翅とも斑紋が著しく縮小するもの。前翅には小さい3個の亜翅頂斑と後翅には小さい翅室斑があるに過ぎない。