チトヌストリバネアゲハ種群
この種群には下記の3種が含まれる。
1) チトヌストリバネアゲハ(O. (S.) tithonus De Haan, 1840)(6亜種、2亜種(?))
2) キマエラトリバネアゲハ(O. (S.) chimaera (Rothchild, 1904))(3亜種、1地方変異)
3) ロスチャイルドトリバネアゲハ (O. (S.) rothschildi Kenrick, 1911)(1亜種)
このうち、Arfak山脈という特殊な山岳地帯にだけ生息するロスチャイルドトリバネアゲハを除けば、チトヌストリバネアゲハがニューギニアの西側(Irian Jaya)、キマエラトリバネアゲハが東側(PNG)に棲み分けをする(東経135度から140度あたりで一部重複する)。斑紋の共通点としては、♂の前翅には亜前縁帯、肘状帯および臀縁帯の3本が揃っていて(Paradisea 種群も同様)、亜前縁帯の基側2/3が糸状で、翅頂部へ向かって急に広がることと後翅の内縁に切れ込みがあることである。また、チトヌストリバネアゲハとロスチャイルドトリバネアゲハでは内縁から中室の先端に向って広がる緑色帯が特有な斑紋を形成する。また高地性の特徴としてキマエラトリバネアゲハとロスチャイルドトリバネアは体毛が著しく発達する。