7.亜種cytherea Kobayashi & Koiwaya, 198011) [♂,♀]
(分布)INDONESIA [Irian Jaya] Kobowre山脈 (Mapia), Tigi湖地域, Paniai湖地域 (Enarotali), Tembagapura, Jayawijaya 山脈 (Baliem渓谷 (Wamena)) [分布図46]
(発見と原記載のエピソード)西イリアン(Irian Jaya)の中央高地、東径136°付近にあるエナロタリ(標高1800m)で、1980年2月から3月に採集された2♂♂、4♀♀をもとに小林平一、小岩屋敏の両氏により記載された。なお、亜種名cythereaは、ギリシャ神話に現われる愛と美の女神で、ローマ神話のVenusに当る。別名Aphrodite。
(特徴)最も東に生息する高地性の亜種で、斑紋は両性とも非常に特異的で、よく安定していて他の亜種との識別は容易である。
(斑紋)♂:斑紋が緑色の単一色であること、前翅の亜前縁帯が狭く、臀縁帯が短いこと、そして後翅の半透明黄金斑や黒色翅室斑点が小さいことが特徴である。
♀:翅の地色は黒褐色で、前翅の斑紋は中等度ですべて存在する。後翅の中室斑の縁取りがあることが特徴である。前縁室斑と第6室斑はともに小さい。暗色外縁帯の内縁は境界が鮮明である。
(変異)♂-f. nicolasi Deslisle & Sclavo, 20086): (前・後翅の斑紋変異) 前・後翅の黒色部に緑色鱗が散在するもの。