3. 亜種misresiana (Joicey & Noakes, 1916)10)[♀][♂: prominens (Joicey & Noakes, 1916)10)]
= prominens (Joicey & Noakes, 1916)10)[♂]( Anggi 湖, Irian Jaya)
(分布)INDONESIA [Irian Jaya] Doberai半島 (Mandopi, Arfak山脈 (Meni, Mokwam, Minyambow, Dimaisi, Umeisi, Ikumabou, Anggi Gigi地域, Memti, Bikela))。[分布図44]
(発見と原記載のエピソード)亜種prominens(1♂,1♀)と亜種misresiana (3♀♀)は同一論文に掲載されていて、亜種prominensが先である。採集地は亜種prominensの♂はAnggi湖、♀はMomi山(4000フィート)で、♀をホロタイプに指定している。一方、亜種misresianaはArfak山脈のMisresi山。Haugum & Low (1979)によればMomi山は名義タイプ亜種と同じ産地のBomberai半島なので、亜種prominens は名義タイプ亜種のシノニム になる。したがって亜種misresianaが有効になる。もし、亜種prominensのホロタイプを♂にしていたら亜種名は逆になっていた。
(特徴)最もよく知られた亜種で、亜種中最も多くの標本が存在する。亜種dominiciと同じ高地性で、発生個体数は多い。
(斑紋)♂:亜種cythereaを除いた他亜種とは多彩な個体変異を考慮すれば識別は困難である。
♀:前翅の斑紋の大きさや数は個体差があるが、後翅の翅室斑の翅脈は黒色鱗により縁取りされ明瞭に見える。これは高山産に特有なものと思われる。
(変異)多くの変異が知られている。
♂-f. ichwani Kobayashi & Koiwaya, 198011): (前・後翅の翅形および斑紋変異)前・後翅とも翅幅が広く、前翅の亜前縁帯の幅が狭く、後翅の黄金斑が拡大したもの。
♂-f. gaucheti Deslisle & Sclavo, 20086): (前・後翅の斑紋変異)前翅では亜前縁帯の第7室にある半透明黄金斑点の外側に接し、後翅では中室の先端と第3, 4室の中室側にそれぞれ赤色斑点が存在するもの。
♂-f. crepusculum Parrott & Deslisle, 198614): (前・後翅の斑紋変異) 前翅の表裏の斑紋は著しく縮小し、通常の黒色鱗で覆われ、後翅の黒色翅室斑は大きく、上3個(第5 – 7室)は黒色外縁帯と完全に融合し、中室端および第3-4室に黒色斑点があり、第2室は黒色。
♂-f. labbei Deslisle & Sclavo, 20157): (前・後翅の斑紋変異)前翅の緑色帯が翅央部と翅室ではオレンジ色であることと後翅の半透明黄金斑、特に中室と、第2-4室で大きいことを除けば上記の♂-f. crepusculumに似る。しかし第3,4室の余分な黒色斑点はない。
♂-f. deslislei Sclavo, 20086): (前翅の斑紋変異) 亜前縁帯と肘状帯が異常に拡大して、翅頂部と基部で互いに融合するもの。
♂-f. sanguismaculata Deslisle & Sclavo, 20157): (前翅の斑紋変異)亜前縁帯の亜翅頂部と肘状帯の先端に血液状の赤い斑紋があるもの。
♂-f. lowi Haugum, 19799): (前翅の斑紋変異)亜前縁帯や肘状帯に黄金色鱗があちこちに散在し、時にははっきり半透明黄金斑を形成するもの。
♂-f. jeannoti Deslisle & Sclavo, 20157): (後翅の斑紋変異)中室の先端と第4室の2か所に黒色の斑点があるもの。
♂-f. nagypalis Deslisle & Sclavo, 20157): (後翅の斑紋変異)半透明黄金斑が異常に拡大し、第5 室から亜前縁室の亜外縁まで広がり、第4室の黄金斑は第5脈のに沿って外側へ伸び、コンマ状になる。亜前縁室の小斑点を除けば黒色翅室斑点はない。
♂-f. aurata Schäffler, 200117): (前・後翅の色調変異)緑色斑および半透明黄金斑がオレンジ色をしているもの。
♀-f. minima Haugum & Low, 19799): (矮小型) 前翅の翅幅は狭く、後翅が細長いため亜種waigeuensis に似る。
♀-f. rubicunda Parrott & Deslisle, 198614): (後翅の色調変異)翅室斑の外側に赤色鱗が散在するもの。
♀-f. citreum Deslisle & Sclavo, 20157): (後翅の色調変異) 翅室斑の外縁の色がレモン黄色のもの。
♀-f. josetteae Deslisle & Sclavo, 20157): (後翅の色調変異)上記の変異と同じであるが黄色がより濃いもの。