1. 亜種tithonus De Haan, 18401) [♂][♀: (Rothschild, 189715))]
= prominens (Joicey & Noakes, 191610))[♀] (Momi山(4,000 ft), Irian Jaya)
= makikoae Morita, 199813) [♂, ♀] (Timika, Irian Jaya)
= erwini Schäffler, 200117) [♂, ♀] (Sorong 地域, Irian Jaya)
(分布)INDONESIA [Irian Jaya] Salawati島, Doberai半島(Sorong, Katimin II, Klamono), Berau 湾, Onin半島 (Fakfak*), Bomberai半島 (Aigah (=Momi) 山),Kamrau 湾地域, Arguni湾地域 (Gusi), Yamur湖地域, Hamuku(=Wanggar川流域), Nabire, Wapoga川流域, Timika, Otakwa川流域。(*原記載には正確な採集地の記載はなくS.W. coast of New Guineaと記載されている)[分布図42]
(発見と原記載のエピソード)最初の記載者はDe Haan (1840)である。彼はMüllerが南西ニュー・ギニアで採集した1♂をもとに記載した。その後長い間、♀が未発見のままであったため、1856年Macgillivrayがガダルカナル(Guadalcanal)島で採集したビクトリアトリバネアゲハの♀がそうであろうと考えられた。しかし、マレーの採集人により本当の♀が、また、その翌年の1886年にはWoodfordによってビクトリアトリバネアゲハの♂がそれぞれ採集されたためこの問題は解決した。一方、Rothschild (1895)は、一時期De Haanの完模式標本の採集地に疑問を抱いたが、カパウルでDohertyが採集した1♂2♀♀の標本により、はじめてDe Haanが記載した採集地は正しかったことを認めた。なお、TithonusはTroiaの王Laomedonの息子で、Aurora女神の夫の名。彼はErosに愛され、不死を得たが、不老を求めなかったために老醜をさらし、Erosに不死を返したためバッタに姿を変えられた(ギリシャ神話)。
(特徴)Irian Jaya の比較的低地に産する亜種。
(斑紋)♂:亜種cytherea以外のものは個体変異を考慮すれば正確には識別は困難である。
♀:翅の地色は黒褐色。斑紋はほぼ純白で黒色鱗が僅かに散在する。前翅にはすべての斑紋が存在し中等度の大きさである。後翅の翅室斑は大きく、翅底側は純白で翅脈が白色鱗で覆われるのが特徴。暗色翅室斑点の外側は黄土色。
(変異) ♂-f. sineaurum Deslisle, 20044):(前翅の斑紋変異)本種では通常存在する亜前縁帯内 (第7室)の黄金斑を欠如するもの。
♂-f. jeannoti Deslisle & Sclavo, 20157): (後翅の斑紋変異) 中室および/または第4翅室に異常な黒色斑点が出現するもの。
♀-f. splendidus Deslisle & Sclavo, 20157): (前・後翅の斑紋変異) 前・後翅とも白斑が異常に大きく、前翅の斑紋は♂の裏面に似ている。後翅の翅室斑は殆んど基部まで広がるが、暗色翅室斑点は微細または消失する。