5.亜種albescens (Rothschild, 1895)14) [♂, ♀]
(分布)MYANMAR: Mawlamyine ; THAILAND: Yala ; W. MALAYSIA: [Kedah], [Pinang (= Penang)], [Perak]Batu Kurau, Maxwell (=Larut) Hill, Taiping, Ipoh, Simpang Pulai, Gopeng, Kg. Sahom, Cameron LL., Lumut, Tapah Hills [Pahang] Ulu Piah, Cameron HL, Fraser’s Hill, Genting HL., [Selangor] Kerling, Kuala Kubu Bharu, Templer公園, Gombak Setia, Kuala Lumpur, Ampang, Ulu Langat, [Negeri Sembilan]。(基産地:Malay半島) [分布図63]
(発見と原記載のエピソード)Grosse (1881)によるマレー半島産の♀の記載が本亜種に関する最初の報告である。その後、Rothschild (1895)は、♀が他地域産とかなり異なっていることから原名亜種(ボルネオ、バラバク島、スマトラおよびナツナ諸島産)から分け、亜種albescensとして記載した。その原記載に用いられた標本は14♂♂、3♀♀である。なお、亜種名albescensは、ラテン語で“帯白色の”を意味する。
(特徴)この亜種はその大きさと美しさでマレー半島の代表的なチョウとして最もよくその名が知られている。
(斑紋)♂:他の亜種との識別は困難であるが、多くの個体は前翅の内縁側の2個の金緑色の楔状斑が互いに一部融合し、後翅の翅頂部に白い斑点が出現する。裏面では前・後翅の亜外縁部の白斑が他の亜種より大きい。
♀:前翅の白色亜翅頂斑は亜種中最大で目立つ。後翅の亜外縁の白色斑も大きい。裏面でも前・後翅の白色斑は非常に大きく際立っていているので他亜種との識別は容易である。
(変異) ♂-f. wongensis Barlow, 19721): (特殊な個体変異) 表・裏面とも斑紋が拡大する。裏面は非常に特異で、前・後翅とも大きな緑色斑が青色で彩られる。