9.亜種brookiana (Wallace, 1855)19) [♂][♀: brookeana, (Cutter, 1869)2)]
= brookeana, (Cutter, 1869)2) [♀](記載なし)
(分布)PHILIPPINES: Balabac島(?); E. MALAYSIA (Borneo) [Sabah] Banggi 島, Kinabalu山, Poring, Mamut鉱山, Kundasang, Ranau, Crocker山脈 (Keningau, Tenom), Labuan島, Sipitang, Sandakan, Segama川流域, Lahad Datu, [Sarawak] Merapok, Rajang川流域, Goram山, Bakak山, Simujan川流域, Kuching, Padawan; BURNEI: [Tutong] Bukit Udar, [Belait] Kg. Labi; INDONESIA: [N. Kalimantan] Lumbis。 [分布図67]
(発見と原記載のエピソード)Wallace (1855)が原記載に用いた標本(1♂)は、ボルネオの北東部の海岸地帯のRejang川周辺で採集され、Brooke酋長によって持たらされたものであった。彼James Brookeは英国の一青年で、サラワクのために献身的な努力をし、その功績が認められ、その当時酋長(Rajah)におさまっていた。種名brookianaはWallaceのよき友人であり、よきアドバイザーであった彼に献名されたものである。
(特徴)最初に発見された亜種で、Kalimantan(=Borneo)島の北部に分布し、同島の南部に分布する次の亜種 haugumeiより斑紋は明るい。
(斑紋)♂:他の亜種との識別は困難。後翅の緑色斑は前縁室まで僅かに広がるが、緑色斑(第3 – 5室)の中へ黒色外縁帯が侵入する変異がある。これは他の亜種には見られない特徴である。後翅の亜前縁室の翅頂部に白斑はない。
♀:小型で♂とほぼ同じ大きさ。亜種albescensと亜種trogonとの中間的は斑紋を示す。前翅の亜翅頂部の白斑はかなり明瞭であるが亜種albescensほどではない。
(変異)♂-f. futurus (Krüger, 1925)7): (後翅の斑紋変異)後翅の黒化型。黒色外縁帯が緑色斑内に広く侵入し、その中央部では中室のほぼ1/3まで覆う。