trogon（スマトラ島亜種）

４．亜種trogon (Snellen van Vollenhoven, 1860)¹⁷⁾[♂][♀: eleanor (Walker, 1889)¹⁸⁾]

＝eleanor (Walker, 1889)¹⁸⁾ [♀](不明 (trogon ? or mollumar ?))

（分布）INDONESIA (Sumatra) [Aceh] Seulawah 山, Meuraboh, Seumanjam, Tapaktuan, Subulussalam, Simpang Kiri, Kuala Simpang, [N. Sumatra] Bohorok, Kuala, Binjai, Medan, Serdang, Tanjung Morawa, Bandar Baru, Sibayak山, Sikulikap, Berastagi, Susuk, Karo Hills, Balimbingan, Asahan川流域, [Riau] Rokan, Tandun, [W. Sumatra] Pangkalankotabaru, Lembah Harau (Harau渓谷), Bukittinggi, Lembah Anai (Anai渓谷), Solok, Padang, Surian, [Bengkulu] Barisan山脈, Bengkulu, [S. Sumatra] Lubukbancala, Dempo山, Tanjungsakti, Ranau湖地域, Belitung (=Billiton)島, [Lampung] Liwa, Telukbetung。（基産地：スマトラ島の奥地）　[分布図62]

（発見と原記載のエピソード）Sievekingが1859年、スマトラの内陸部で採集した2♂♂をPays-bas王立自然史博物館(Musée royal des Pays-bas à Leide)に寄贈した。その標本に基づきvan Vollenhoven (1860)が新種として記載し、種名をtrogonと命名した。この種名は、前翅の斑紋の形や色彩がグァテマラ(Guatemala)やメキシコ(Mexico)の“カザリキヌバネドリ(Trogon resplendens) = ケツァール (Pharomachrus mocinno)”に似ていることに由来している。すなわち翅の地色の光沢ある黒色はその鳥と同色であり、前翅の楔状金緑色斑はその鳥の背中より垂れている飾羽に似ている上、頸部や側胸部の深紅色はその鳥の胸に見ることができる。

（特徴）古くから知られた亜種でやや小型。Sumatra系特有の両性とも白色斑紋が小さい。

（斑紋）♂：他亜種との識別は困難であるが、前翅の金緑色楔状紋は小さく互いに孤立する個体が多い。後翅の翅頂部の白斑はない。両翅裏面の白色斑は小さい。

♀：前翅の楔状斑はすべて存在し、黄緑色で翅頂部に白色はない。後翅の黄緑斑は亜外縁まで広がるが、亜外縁白色矢状斑は不明瞭。亜種mollumarと同様に♂型である。

（変異） ♂-f. julijae Shaoji, 2007¹⁶⁾: (前翅の斑紋変異）表面に従来ある７個の金緑色楔状斑に加え小さな余分の金緑色斑が翅頂部に存在し、合計８個の楔状斑列を形成するもの。

♂-f. walshi Haugum & Low, 1982⁴⁾: (前翅の斑紋変異）正常な緑色と黒色が、半透明暗褐色に変り、先端部を除く中室脈とその分枝を幅広く縁取る。その褐色部の外縁は僅かに光沢がある青色で縁取りされている。

♂-f. walshoides Haugum & Low, 1982⁴⁾: (前翅の斑紋変異) 前翅の中室約2/3および後翅の基部の極一部が褐色鱗で覆われる。