Ripponia(サビモンキシタアゲハ亜属)

[1] サビモンキシタアゲハ亜属 (Subgenus Ripponia Haugum & Low, 19754))

この亜属には下記の種だけが属する。

1) サビモンキシタアゲハ(T. (R.) hypolitus (Cramer, 1775))(4亜種、1地域変異)

東洋区 (Oriental Region) とオーストラリア区 (Australian Region)に挟まれたスラウェシ―マルク(モルッカ)地区(Sulawesi-Maluku(=Molucca)Province)だけに生息する一群。外観は真性のキシタアゲハ(Subgenus Troides) に似るが、一方ではアカエリトリバネアゲハ属 (Genus Trogonoptera ) に共通する部分もある特異な形態を持つ。

特徴として次のことが列記できる。

  1. 前翅の先端が僅かに尖る特異な翅形。
  2. 前翅表面は黒色で暗緑色の光沢がある。翅脈に沿って鱗粉が粗になるため半透明の翅脈条斑が形成される。
  3. 両性とも後翅の中央部では半透明黄金斑(♂)または黄色斑(♀)を欠き、亜外縁に偏在する。また、♂ではその残りの部分は表面では黒灰色、裏面では銀灰色という特有の斑紋をしている。
  4. ♂の後翅の翅脈は特異で、中室は大きく偽翅脈がある。第7, 8脈は短く、第7脈は急峻に立ち上がる。第3脈と第4脈が互いに逆方向に湾曲するため第3室は広い。
  5. 頸部・胸部に紅毛はない。
  6. ♂の腹部の色彩や斑紋は固有-背面では腹節3, 4, 6および7はオレンジ色またはオレンジ紅色(稀に黄色や白色)。
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