2.亜種plateni (Staudinger, 1888)10) [♂, ♀]
(分布)PHILIPPINES: Calamian群島 (Busuanga島), Palawan島 (Olangoan, Tarabanan, Irahuan (=Irawan), Puerto Princesa, Salakot山, Aborlan, Brooke’s Point), Balabac島。 [分布図149]
(発見と原記載のエピソード)東南アジア島嶼でおよそ10年間にわたって昆虫の研究や採集を続けていたDr. Platen (plateniは彼の栄誉をたたえて命名された)が、1887年6月中旬から10月の終りにかけてパラワン島のプエルト・プリンセサ(Puerto Princesa)で採集した昆虫の標本の中に含まれていた1♂、3♀♀に基づいてStaudingerがその翌年、「パラワン島の鱗翅目」と題した論文中に新種として記載したのが最初である。
(特徴)Palawan島にのみ生息し、中・北部に多い。両性とも名義タイプ亜種より後翅の黄金斑または黄色斑が小さく、外縁の凹凸が軽度であることで識別は容易である。
(斑紋)♂:前翅の翅頂は丸味を帯び、表面の亜外縁部の翅脈条は微細であるが裏面では明瞭である。後翅の半透明黄金斑は小さく、個体差はあるが亜前縁室と第6室までか、せいぜい第5室までである。後翅裏面は全体が金色のものから後角部がまだら模様になるものまで個体変異がある。
♀:斑紋はかなり安定していて、名義タイプ亜種に似る。前翅の地色は褐色を帯びるが、翅脈条は名義タイプ亜種とほぼ同じである。後翅は外縁の凹凸が軽度で、黄色斑が小さく、黄色亜外縁斑も小さいかまたは消失する。
(変異)♂-f. flavoradiata Rumbucher & von Knötgen, 19999): (後翅の斑紋変異)第2 – 5脈が狭く黄金鱗で縁取られるもの。