1.亜種rhadamantus (Lucas, 1835)7) [♂,♀]
= astenous, (Eschscholtz, 18212) (nec Fabricius, 1775)3)) [♂, ♀] (Manila)
= rhadamanthus, (Boisduval, 1836)1) [♀] (➡aeacus )(Manila)
= nephereus (Gray, 1856)6) [♂, ♀] (Philippines)
= bazilanicus Fruhstorfer, 19084) [♂,♀] (Basilan島)
(分布)PHILIPPINES: Babuyan諸島(Calayan島), Luzon島 (Callao洞窟, Banaue, Dalisag, Baguio, Santo Tomas山, Nueva Vizcaya, Dagupan, Candelaria, Zambales山脈, Wawaダム, Quezon市, Bataan 半島, Pasay, Paranaque, Cavite, Ternate, Tagaytay, Tanay, Los Baños, Makiling山, Batangas, Lalya, Banahaw山, Quezon 国立公園, Antimonan, Tagdon, Bulusan火山国立公園), Polillo諸島 (Polillo島), Catanduanes島, Marinduque島 (Boac), Mindoro島 (Pinamalayan, Baco山), Burias島, Ticao島, Tablas島, Romblon島, Sibuyan島, Masbate島 (Milagros), Samar島 (Cervantes, Matuguinao), Panay島, Guimaras島, Negros島 (Canlaon, Guihulngan, Damaguete), Cebu島 (Cebu), Bohol島, Leyte島 (Mt. Catmon, Ormoc, Mahaplag, Hinunangan, Saint Bernard, Maasin), Panaon島, Dinagat島, Siquijor島, Camiguin島, Mindanao島 (Surigao, Mainit, Tandag, Aras-asan, San Vicente (Butuan近郊), Malitbog, Bislig, Cagayan de Oro, Kitanglad山, San Miguel, Davao, Tagubud山, Apo山, Matutum山, Busa山, Zamboanga), Sulu列島 (Basilan島, Jolo諸島 (Jolo島), Tawitawi島, Sanga Sanga島, Sibutu島)。 [分布図147, 148]
(発見と原記載のエピソード)原記載者であるLucas (1835)は、種rhadamantus Boisduvalとし命名者をBoisduvalとして発表したが、これはBoisduval (1836)自身の発表より1年ほど早かったため、当然先取権はLucasにある。この事についてRothschild (1895)は、それはLucasがこの種をBoisduvalから教示されたためであろうと想像している。また、その当時の多くの昆虫学者がインドシナ産であるタイワンキシタアゲハをrhadamanthusと命名しているのは、彼等がrhadamanthusがフィリピン産の別種に命名されたことを認識していなかったためで、その最初の誤りを犯したのはGray (1853)であることも指摘している。なお、種名rhadamantusは、Jupiter大神の息子でMinos (下界の裁判官の一人)の兄弟であるRhadamanthus (後に下界の裁判官になった)にちなんで命名された(ギリシャ神話より)。
(特徴・斑紋)
♂:タイワンキシタアゲハ(T. aeacus )に似るが次の点で異なる。
- 前翅の翅頂はあまり尖らず外縁の切れ込みも軽度であるが、後翅の後角はより尖り、翅幅が狭い。
- 前翅の翅脈条はより明るく境界も明瞭であるが、第1b脈のものは欠如する。
- 後翅の黒色外縁帯はより広いが、黒色外縁山形斑は低い。黒色汚斑はより大きく広がる。
♀:斑紋はかなり安定しているが、前翅の翅脈条は南部産が北部産より発達していて、後翅の黄色の亜前縁室斑と亜外縁斑も大きい。
(変異) ♂-f. belzanor (Fruhstorfer, 1911)5): (後翅の斑紋変異)後角部の金色翅室斑に黒色鱗が濃く散在するもの。
♀-f. hesiodus (Fruhstorfer, 1911)5): (後翅の斑紋変異) 亜外縁の黄色小斑が暗色翅室斑点と暗色外縁帯の完全融合により消失するもの。