16. 亜種flavicollis (Druce, 1873)5) [♂, ♀]
= gardineri Fruhstorfer, 190211) [♂] (➡ euthydemus, actinotia )
= kottovae Dufek, Rumbucher & Schäffler, 20066) [♂, ♀] (Banggi島)
(分布)E. MALAYSIA (Kalimantan=Borneo) [Sabah] Banggi島, Poring, Mamut Mine, Ranau, Inanam, Crocker山脈 (Keningau, Tenom), Sandakan, Tawau; [Sarawak] Merapok, Lawas; INDONESIA [N. Kalimantan] Lumbis。[分布図87]
(発見と原記載のエピソード)最初の記載者はDe Haan (1840)であるが、命名記載したのはDruce (1873)である。それはSalvinとの共同コレクションにあった35♂♂7♀♀をもとに記載されたが、その標本はLoweが1867年、1869年および1872年の3年間にボルネオで採集したものである。なお、flavicollisは「黄色の頸をした」という意味である。
(特徴)Kalimantan(=Borneo)島の北部に生息する亜種。前翅の翅脈条斑の大きさには地域変異や個体変異が見られ、特に北部の♀の前翅は白化し別種を思わせる。頸部の色も多様で、他亜種のように紅色ではなく変化に富むが黄色の個体が多い。
(斑紋)♂:Java島産の名義タイプ亜種を除いた他の亜種の中では最も翅脈条が発達していて、中室端斑は鮮やかな黄色であるが、翅脈条は外縁に向って白色になる。後翅の黒色外縁帯は狭く、黒色山形斑も小さいので半透明黄金斑が広く鮮やかである。他の亜種では頸部の色は紅色であるが、本亜種では多くの個体の頸部の色は黄色である。(紅色、褐色、黒色などの個体もいる)。
♀:前翅の翅脈条は北の産ほど幅広く白色化する傾向が見られる(個体によってはほぼ完全に白色化する)。そのため、両極端な個体を比較すれば別種のような感じがする。後翅の暗色翅室斑点は大きく互いに融合し中室側へ伸びるため黄色斑が小さい。
(変異) f. (♂, ♀) nigricollis Fruhstorfer, 189810):(頸部の色調変異)通常の紅色ではなく黒色をした個体。
f. (♂, ♀) bruneicollis Fruhstorfer, 189810):(= birmeicollis Fruhstorfer, 190211))(頸部の色調変異)頸部の色が褐色の個体。
♀-f. flavicollis (Druce, 1873)5): (前翅の斑紋変異)白色化が少ない普通に見られるもの。
♀-f. olympia (Honrath, 1891)19): (前翅の斑紋変異)翅脈条のクリーム灰色が翅全体に広がる白化型の極型。
♀-f. arasada (Fruhstorfer, 1911)13): (後翅の斑紋変異)暗色翅室斑点が大きく互いに融合し、さらに前縁室、第6,5室を除き外縁帯と完全に融合する。黒化型。