6.亜種ruficollis (Butler, 1877)2) [♂, ♀]
(分布)MYANMAR [Tanintharyi(=Tenasserim)] Beik (=Mergui) 諸島; THAILAND [Peninsular] Isthmus of Kra, Ranong (Hot Samphang), Thung Na Kha, Khao Chong, Trang, Thale Ban, Satun, Yala, Than To Waterfalls; W. MALAYSIA [Perlis], [Kedah] Kuala Kedah, [Pinang] Pinang (=Penang) 島, [Perak] Maxwell (=Larut) Hill, Taiping, Beruas, Sungai Batu, Ayer Kuning, Cameron LL., [Kelantan] Kota Bharu, [Terengganu] Terengganu川流域, Kuala Berang, [Pahang] Ulu Piah, Cameron HL., Taman Negara国立公園, Fraser’s Hill, Genting HL., [Selangor] Gombak Setia, Ulu Langat, [Negeri Sembilan], [Melaka], [Johor] Tinggi島, Telok Mahkota (=Jason 湾), Johor Bahru; SINGAPORE。[分布図80]
(発見と原記載のエピソード)本亜種に関する最初の報告者はGodart (1819)であるが、種として命名したのはButler (1877)である。その記載は彼の所蔵するマラッカ(Malacca)産の1♂に基づいてなされた。原記載は簡単で、「O. flavicollisに似る。翅は小さく比較的狭い。前翅外縁はより一そう弓状をなす。頸部は紅色」と述べられているにすぎない。また、同論文中にはDistantが所蔵するバトゥ・カワン(Batu Kawan)で採集された♀についても記載されている。なお、ruficollisは「紅色の頸」という意味で、それより4年前に記載されたボルネオ産のflavicollis「黄色の頸」に対比して命名されたものと思われる。
(特徴)Sumatra産の亜種 euthydemusに似るが、♂の前翅の翅脈条斑がより鮮明で黄色。♀は後翅の暗色翅室斑点が小さい。
(斑紋)♂:Sumatra系の上記5亜種に比べて前翅の翅脈条斑は鮮やかな黄色であるが、第4脈の翅脈条斑は上下とも中室に届かない。後翅の黒色外縁帯は狭く黒色山形斑も幾分小さい。
♀:前翅の色や翅脈条斑の形は亜種euthydemusに酷似するが、後翅の暗色翅室斑点は短く狭い個体が多い。
(変異)♀-f. poonkuanyaowi Tung, 198236): (後翅の斑紋変異)暗色翅室斑点が小さく互いに孤立するもの。
♀-f. yapi Haugum & Low, 198315): (後翅の斑紋変異) 亜前縁室を除いた各翅室にくすんだピンク色を帯びた灰色ないしピンク色の三角形をした斑紋が、列をなして両面に存在するもの。