2.亜種nishikawai Kobayashi, 19924) [♂, ♀]
(分布) INDONESIA (Kalimantan=Borneo) [W. Kalimantan] Saran山, Ringas山 。[分布図95]
(発見と原記載のエピソード)西カリマンタンのSaran山 (1758m) で、西川氏が1977年6月に採集された10♂♂、6♀♀に基づいて小林氏が1992年に新亜種として記載した。亜種名は大変苦労して採集された西山氏の業績をたたえて命名された。
(特徴)最も南に産す高地性の亜種で、♀の前翅は全体が濃いチョコレート色をしていた別種の観がある。
(斑紋)♂:名義タイプ亜種よりは少し大型で、後翅の黒色山形斑が大きい。
♀:前翅の地色は濃いチョコレート色で亜翅頂部から内縁までの亜外縁に、灰褐色の翅脈条斑がある。
f. loc. goramensis Morita, 20006) [♂, ♀]
(分布)E. MALAYSIA (Kalimantan=Borneo) [Sarawak] Goram 山, Bakak山。[分布図95]
(発見と原記載のエピソード)東マレーシア(E. Malaysia)のサラワク(Sarawak)州の中央部に位置するGoram 山とBakak山で1996年から1997年に採集された10対(Goram山産: 9♂♂、8♀♀;Bakak山産:1♂、2♀♀)に基づき守田氏がボルネオキシタアゲハ(T. andromache)の新亜種として記載した。亜種名は生息地の一つであるGoram山に因む。
(特徴)北部産の名義タイプ亜種と南部産の亜種nishikawaiとの中間的な存在で、後者により近い外観をしているが亜種にするほどではないと思われる。
(斑紋)♂:大きさおよび斑紋とも名義タイプ亜種との変異はない。
♀:前翅の地色の濃淡の程度は名義タイプ亜種と亜種nishikawaiとの中間で、淡黒褐色。