cuneifera（名義タイプ亜種）

３．亜種cuneifera (Oberthür, 1879)⁶⁾ [♂][♀: ritsemae (Snellen, 1889)⁸⁾]

= ritsemae (Snellen, 1889)⁸⁾ [♂, ♀] (Java (Preanger, Ardjoeno))

= (?) tantalus (Ehrmann, 1904)¹⁾[♂] (Borneo)

（分布）INDONESIA (Java) [W. Java] Salak山, Cibodas, Mt. Gede-Pangrango国立公園 (Gede山, Pangrango山), Sukabumi, Pengalengan, Malabar山, Seda (Cirema山近辺), [C. Java] Slamet山, Dieng高原, [E. Java] Junggo, Arjuna山, Lawang, Malang, Bromo-Tengger-Semeru国立公園 (Bromo山), Argopuro山, Ijen-Merapi-Maelang Reserve。 [分布図90]

（発見と原記載のエピソード）Oberthür (1879)がジャワ産の♂に基づいて、アンフリススキシタアゲハの変異(亜種)として記載したのが最初である。しかし、残念ながら完模式標本の詳しい採集地や採集日などは不明である。♀に関する記載は、Snellen (1889)ジャワの高地(1600~1800m)産の♂とともにPap. (Orn.) Ritsemaeとして報告したのが最初と思われる。なお、種名cuneiferaは「楔(くさび)形をした」という意味のラテン語である。

（特徴）小型の亜種で黒化傾向が強い。

（斑紋）♂：前翅の翅脈条は亜種の中では最も明瞭である。後翅の翅室斑に黒色の楔状斑が他の亜種より出現率が高く、大きくて明瞭なものが多い。黒色山形斑の大きさは亜種sumatranaとほぼ同じで、亜種paeninsulaeより大きい。腹部も暗黒褐で、上面には黒い楕円形の黒褐色の性標が２個存在する。側胸部の紅毛はない。

♀：前翅の翅脈条は亜種中最も発達し、灰白色で、内側に向って黄色を帯びる。後翅の黄色斑の中央部は淡い灰黄色で、亜前縁室まで広がらないが稀に小斑が出現する個体がある。また、暗色翅室斑は大きく互いに融合して帯状になる。側胸部の紅毛はない。

（変異）♂-f. roepkei Haugum & Low, 1983³⁾: (後翅の斑紋変異）この亜種特有の翅室に見られる黒色楔状斑が完全に欠如するもの。