paeninsulae（マレー半島亜種）

２．亜種paeninsulae (Pendlebury, 1936)⁷⁾ [♂, ♀]

（分布）THAILAND [Peninsular] Ranong, Khao Luang; W. MALAYSIA [Kedah] 南部地域, [Perak] Batu Kurau, Maxwell (=Larut) Hill, Cameron LL., [Pahang] Brinchang, Cameron HL., Fraser’s Hill, [Selangor] Bukit Kutu, Gombak Setia, [Negeri Sembilan] 北部地域。   [分布図89]

（発見と原記載のエピソード）本亜種を発見したのも新亜種と記載したのもPendlebury (1936)である。その採集地はマレーシアのセランゴールのBukit Kutu (3400フィート)で、♂(完模式標本)は1915年8月、♀は1931年3月16日に採集されている。彼は記載するにあたり、Jordan博士に♂の標本を送り亜種としての価値があるかどうか意見を求め、博士も同意したことを付記している。亜種名はMalay半島に因む。

（特徴）亜種中最大で、♂の後翅には楔状の黒色斑は出現しないし、♀の後翅の暗色翅室斑点は小さく、側胸部に紅毛が多いため別種を思わせる。

（斑紋）♂：前翅の翅脈条は亜種中最も微細である。後翅の翅室に出現する本種特有の黒色楔状斑は欠如し、黒色山形斑は亜種の中では最も小さい。腹部は亜種中最も明るく黄土色で丸い黒褐色の斑点が２個存在する。側胸部の紅毛は多い。

♀：前翅の翅脈条は濃灰色で外縁側に僅かながら黄色がある。後翅の暗色翅室斑点は小さくハート型をしていて、互いに孤立することも多く、黄色の斑紋が大きく目立つ。前縁室には他の亜種には見られない三角形をした黄色斑が存在する。側胸部の紅毛は多い。