3.亜種miranda (Butler, 1869)1) [♂, ♀]
(分布) E. MALAYSIA (Kalimantan=Borneo) [Sabah] Kinabalu山, Mamut Mine, Ranau, Crocker山脈 (Tenom), Sipitang, Labuan島, Sandakan, Labuk川流域, Tawau, Sebatik島, [Sarawak] Merapok, 北部地域;BRUNEI [Belait] Labi; INDONESIA [N. Kalimantan] Bakayan山, Sebatik島。[分布図93]
(発見と原記載のエピソード)1869年、ボルネオのサラワクで採集された(採集者は不明)1♂1♀に基づき、同年ButlerがPapilioの新種として記載したのが最初である。種名mirandaは「不思議な、驚くべき」という意味のラテン語に由来する。
(特徴)低地から高地まで生息する美しい稀亜種。
(斑紋)♂:前翅の暗青色の幻色が亜種の中では最も強い。斑紋は亜種hayamiiに酷似するが、白色翅脈条斑は第3脈までに止まる。
♀:他の亜種とは全く異なる。前翅の地色はチョコレート色で、翅脈条斑がほとんど消失するか、極めて淡い。後翅は黒色翅室斑点が大きく、外縁黒色帯が広いため黄色翅室斑は縮小し、さらに黒色鱗が濃く散在する特異な斑紋になる。
(変異)♂-f. nigrosuffusa Haugum & Low, 19834):(後翅の斑紋変異)黒色鱗が濃く散在し、亜外縁黄色斑点が消出するため黄色斑は不明瞭。