neomiranda（スマトラ島亜種）

１．亜種neomiranda (Fruhstorfer, 1903)³⁾ [♂][♀: (Jordan, 1909)⁵⁾]

= zacheri (Suffert, 1903)⁸⁾ [♂] (Sumatra (Deli(=Medan))

= annae Deslisle, 1988²⁾ [♂, ♀] (Sumatra (Mt. Dempo (850m))

（分布）INDONESIA (Sumatra)[Aceh] Takengon (=Takingeun), Meulaboh, Seumanjam, Leuser山, Kutacane, [N. Sumatra] Medan, Bandar Baru, Sikulikap, Berastagi, Karo Hills, [W. Sumatra] Lembah Anai (=Anai 溪谷), Padang, [Bengkulu] Bengkulu, Manna, [S. Sumatra] Dempo山, Ranau湖地域, Palembang, [Lampung] Liwa。（基産地：Sumatra東部の山岳地帯）  [分布図91]

（発見と原記載のエピソード）最初の記載者はFruhstorfer (1903)である。その記載は、東スマトラの山岳地帯で採集されたかなり飛び古した1♂に基づいてなされた。この標本は他のチョウの標本(O. amphrysus sumatrensis、Prioneris hypsipyleなど)と一緒に送られてきたものであったが、原名亜種に比べて腹部上面が暗色であること、前翅の翅脈条がわずかに暗黄色で、後縁側まで拡がることで別亜種neomiranda (新しいmiranda)とした。同年(1903年)、Suffertも標本商Carl Zacherから購入したスマトラ産(北東部のDeli地区)の1♂をもとに、原名亜種との相違点を13項目について指摘し独立種Zacheriとして記載したが、すでに少し早くFruhstorferが報告していた。亜種名の 「neo-」は「新しい」を表す。

（特徴）低地から高地（約2,000m）まで生息するが、どちらかと言えば高地性である。発生個体数は多くない。亜種中最大で、両性とも黒化する。

（斑紋）♂：翅の地色は黒で暗青色の幻色はない。翅脈条は暗い黄色で、中室先端にも存在し、亜外縁では 第1b脈まで広がる。 後翅の黒色外縁帯は幅広く、内縁に向ってさらに広がる。黒色山形斑は先端が不規則に尖る。裏面は表面とほぼ同じであるが、前翅の翅脈条がより大きく、淡黄色で明瞭。Dempo山のものは後翅が幅広く丸みを帯び、黒色外縁帯が幅広い傾向がある。

♀：翅の地色は暗い黒褐色。翅脈条は灰色から灰黄色で、亜翅頂部から内縁の亜外縁部に広がる。後翅の暗色翅室斑点は亜種の中では最も小さいため、黄色斑紋は最大である。Dempo山産は特に後翅の暗色翅室斑点が縮小し、黄色い中室端斑が小型化する傾向がみられる。