2.亜種iris (Röber, 1888)7) [♂,♀]
(分布)INDONESIA [Maluku] Leti 諸島(Leti島, Moa島, Lakor島))。[分布図110]
(発見と原記載のエピソード)Röber (1888)が、KühnとJacobsenの両氏によってレティ島で採集された♂♀の標本に基づいて独立種として記載した。同じ原記載の論文に、ルアン(Luang)鳥のものをstaudingeriと命名しやはり独立種として記載し、両種の相違点は頸部と側面部の紅毛の有無と腹部下面の黄色の有無にあると述べている。なお、irisは「虹の女神」という意味のラテン語。
(特徴)頸部および側胸部に紅毛を欠如するのが特徴である。
(斑紋)亜種ariadneに酷似するが、両性とも頸部および側胸部に紅毛を欠くことで容易に識別できる。
♂:亜種ariadneより黄金斑が幾分小さい個体が多い。
♀:翅の地色が暗褐色で亜種の中では最も濃く、前翅の翅脈条が最も不明瞭で、第1b脈の条斑を欠く個体が多い。また後翅の黄色斑は亜種中最小である。
(変異)♂-f. melanie Rumbucher & Schäffler, 20049): (後翅の斑紋変異)黄金斑が著しく縮小する黒化型。第5, 4室斑だけが翅室の長さの1/3程度で第6室と第3室は微細。(➡darsius )
♂-f. irinkai Rumbucher & Schäffler, 20049): (後翅の斑紋変異) 黄金斑が著しく拡張するもの。黄金斑は翅室に6個、中室にも外側1/2に存在し亜種 heptanoniusに似る