- 亜種hephaestus (Felder, 1865)8) [♂,♀](♂:2型、♀:2型)
= leda (Wallace, 1865)36) [♂, ♀] (Celebes (=Sulawesi))
= neoris Rothschild, 190830) [♂, ♀] (Tukangbesi諸島 (Binongko島))
= mopa Rothschild, 190830) [♀] (Buton島)
(分布)INDONESIA[N. Sulawesi] Manado, Lokon山, Tondano, Doloduo, [C. Sulawesi] Palu, Banggai諸島 (Peleng島), [S. Sulawesi] Palopo, Camba, Maros, Bantimurung, Selayar (=Kabia) 島, [S.-E. Sulawesi] Unaaha, Kabaena島, Muna島, Buton島, Tukangbesi 諸島(Tomea島, Binongko島)。[分布図137]
(発見と原記載のエピソード)セレベスで採集された♂♀をもとにFelder (1864)は独立種として記載したが、Hopffer (1874)はこれを亜種に降格させた。その翌年、Wallace (1865)は自らセレベスのマカサル(Macassar)とメナド(Menado)で採集した♂♀をもとに記載した独立種ledaはhephaestusと同一亜種である。亜種名hephaestusはギリシャ神話の火と鍛冶の神Hephaestus (Hephaistos)にちなむ。
(特徴)代置種であるパプアキシタアゲハ (T. oblongomaculata )とはSulawesi島の南部で一部分布が重なる。本亜種は大型で前・後翅とも翅頂が尖り、後翅の波状の凹凸は軽度で他の亜種と異なり、むしろ代置種パプアキシタアゲハに似る。
(斑紋)♂:前翅は光沢のある黒色で、多くの個体では翅脈条はないが、個体によっては翅脈条が明瞭に出現する。裏面は多少なりとも翅脈条があるが個体差がある。後翅の亜前縁室の半透明黄金斑は大きく、第8脈に向って広がる。黒色外縁帯は広いが黒色山形斑は小さい。
- 暗色型 (♂-f. hephaestus (Felder, 1865)8)): 前翅の翅脈条がないもの。
- 明色型 (♂-f. takashii Haugum & Low, 198514)): 前翅に灰白色の翅脈条が明瞭に出現するもの。
♀:前翅の翅脈条の有無により2型に分けられるが、多くの中間型が存在する。後翅の中室斑は第7脈の起始部より先端にあり、亜前縁室には黄色い小斑が翅頂部にあるに過ぎない。暗色翅室斑点は小さく孤立し、暗色外縁帯と接触・融合しない。
- 暗色型(♀-f. hephaestus (Felder, 1865)8)(=lygaea (Jordan, 1908)18)): 前翅に翅脈条がないもの。
- 明色型(♀-f. lucinda (Jordan, 1908)18)): 前翅に灰白色翅脈条があるもの。
(変異)♂-f. punctata Rumbucher & Schäffler, 200532): (後翅の斑紋変異)黒色翅室斑点が数個出現するもの。(➡cerberus )
♂-f. imperialis Zondervan, 194038): (後翅の色調変異) 翅室斑が朱赤色のもの。
♂-f. bruno Rumbucher & Schäffler, 200532): (後翅の色調変異): 翅室斑はオレンジ褐色のもの。
♀-f. mars Rumbucher & Schäffler, 200532): (後翅の斑紋変異)暗色翅室斑点を欠如するもの。
♀-f. imperialis Zondervan, 194038): (後翅の色調変異) ♂と同様、斑紋の色が朱赤色のもの。