9. 亜種hermes Hayami, 199115) [♂, ♀]
= hypnos Rumbucher & Schäffler, 200532) [♂,♀] (Simeulue島)
(分布)INDONESIA [Aceh] Simeulue島, Banyak諸島(Tuangku島)。 [分布図122]
(発見と原記載のエピソード)スマトラの北西に位置するバニャック(Banyak)諸島で1977に採集された15♂♂、14♀♀に基づいて1991年速水氏が記載した。また、2004年には隣接するシメウルー(Simeulue)島でも発見され、Rumbucher氏とSchäffler氏により亜種hypnosとして報告されたが現在ではシノニムとして扱われている。なお、亜種名は策術の天才で人間に富を与えると伝えられる女神Hermesに因む(ギリシャ神話)。
(特徴)比較的小型の島嶼性の亜種。速水(1991)15)がBanyak諸島産に基づき原記載した14年後、Rumbucher & Schäffler (2005)32)がSimeulue島産を新亜種hypnosとして記載したが、両者間に相違点がないと考え同一亜種とした。
(斑紋)♂:亜種typhaonに似る。後翅の翅室に黒色翅室斑点が出現する個体が多い。
♀:明色型:前翅の翅脈条はよく発達し、第1b脈を除いたすべての翅脈条は中室に達する。後翅の黒色翅室斑点は大きく長く互いに融合し、さらに外縁山形斑とも融合するため黄色斑は小さい。裏面では淡い汚黄白色。
(変異)♂-f. hera Hayami, 199115): (後翅の斑紋変異)黒色翅室斑点が存在するもの。
♀-f. reducta Rumbucher & Schäffler, 200532): (後翅の斑紋変異)暗色翅室斑点が著しく縮小するか、または欠如するもの。