hanno（ゴラム諸島・ワツベラ諸島亜種）

５．亜種hanno Fruhstorfer, 1904¹¹⁾ [♂][♀: lucina (Jordan, 1908)¹⁶⁾] (♀: 2型)

（分布）INDONESIA [Maluku] Gorong (=Goram) 諸島 (Gorong (=Goram) 島),Watubela 諸島(Kasiui島, Tioor島), Tayandu諸島 (Kur島)。 [分布図 142]

（発見と原記載のエピソード）ゴラム諸島で採集した12♂♂をもとにFruhstorfer (1904)が記載した亜種。残念なことにその時♀は採集されなかったが、すでにKühnによりゴラム・ラウト(Goram Laut)で1900年2月26日に明色型が、また、同28日には暗色型が採集されていて、それらについてはJordan (1908)が記載した。一方、RothschildもKühnにより1899年12月に採集された3♂♂をもとにFruhstorferの発表より4年後に亜種asartiaとして記載した。なお、亜種名hannoの由来は不明であるが、紀元前500年頃、アフリカの西海岸を航海したカルタゴ(Carthago)の将軍Hannoに因んだものか?

（特徴）殆んど知られていない亜種で、名義タイプ亜種に似るが小型。原記載時では♀は未知であったが、その後Jordan (1908)¹⁶⁾によって報告された。

（斑紋）♂：後翅の半透明黄金斑のうち亜前縁室のものは名義タイプ亜種に似た形をしているが幾分小さい。本種の特徴である第５室で第６脈に沿う指状の突出が亜種bandensis と同様にない個体が多い。

♀：他の亜種と同様に２型がある。後翅の斑紋は名義タイプ亜種に似ている。斑紋は乳灰色に僅かにオレンジ色が混ざる。

1.　暗色型（♀-f. lucina (Jordan, 1908)¹⁶^）) : 前翅の翅脈条が不明瞭ないし欠如するもの。

２．明色型 (♀-f. diana (Jordan, 1908)¹⁶⁾) : 前翅の灰白色の翅脈条が拡がるもの。