[4] ゴクラクトリバネアゲハ亜属(Subgenus Schoenbergia Pagenstecher,189310))
この亜属にはNew Guinea本島を中心にその近隣の島々に生息する下記の7種が属す。
- アルファックトリバネアゲハ (O. (S.) arfakensis (Joicey & Noakes, 1916)) (3亜種、1亜種(?)、2地域変異)
- ゴクラクトリバネアゲハ (O. (S.) paradisea Staudinger, 1893) (6亜種、1亜種(?)、2地域変異(?))
- ヒレオトリバネアゲハ (O. (S.) meridionalis (Rothschild, 1897))(1亜種)
- チトヌストリバネアゲハ (O. (S.) tithonus De Haan, 1840) (6亜種、2亜種(?))
- キマエラトリバネアゲハ(O. (S.) chimaera (Rothschild, 1904))(3亜種、1地域変異)
- ロスチャイルドトリバネアゲハ (O. (S.) rothschildi Kenrick, 1911)(1亜種)
- ゴライアストリバネアゲハ(O. (S.) goliath Oberthür, 1888)(8亜種、1亜種(?))
これらの種はそれぞれがいろいろな特徴を持っているために共通した特性を持ったもの同士をParadisea種群、Tithonus種群およびGoliath種群の3群に分けたが、すべてに共通している特徴として次のことが列記される。
1.♂の前翅表面の斑紋は亜前縁帯、肘状帯および臀縁帯からなり、金緑ないし金黄緑色で性標がないのが特徴ある。
2.♂の後翅の黄金斑はトリバネアゲハ(Ornithoptera) 属では最大で、内縁には長いクリーム白色ないし淡褐色の毛が密生する。
3.♀の斑紋は基本的にはメガネトリバネアゲハ(Ornithoptera) 亜属と同じであるが、地色がさらに濃く、斑紋がより白く明るい(濃色型)。後翅の翅室斑の翅脈は白色鱗で覆われるため不明瞭のことが多い。暗色翅室斑は比較的小さく類円形で、やや中室側に偏在する。