研究内容

1.根粒菌侵入における新規オルガネラ(シンビオゾーム)の形成

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マメ科植物は根粒菌が感染すると、根毛にできる感染糸を通り、皮層細胞へ進入後、根に根粒を形成します。一方、根粒内では根粒菌がバクテロイドへ分化し、植物細胞膜由来のペリバクテロイド膜に取り囲まれます。本研究では、マメ科植物と根粒菌が共生に必要な新規オルガネラ形成に必要なSNAREタンパク質に着目し調べています。近年、SNAREの一つが皮層細胞内の感染糸伸長、シンビオゾーム形成に必要であることを明らかにしました。現在はそのSNAREと複合体を形成するタンパク質を調べています。


2.共生窒素固定を調節する転写因子の解析

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根粒菌が根粒内で共生窒素固定を行うためには植物地上部から炭素源を供給されなければなりません。これまでに共生に必要な炭素代謝酵素について調べ、PEPC酵素が重要な酵素として機能することを明らかにしています。本研究ではこの炭素代謝酵素の転写因子を明らかにして根粒内の炭素による制御機構を明らかにしようと試みています。また、窒素固定により発現する遺伝子群を網羅的に解析を行い、共生窒素固定に必要な転写因子についても調べています。 


3 . 根粒老化に関与する遺伝子群の解析

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根粒は鉄を大量に蓄積していますが、根粒が老化すると根粒内の鉄含量が低下し、地上部への転流されます。しかし老化時にタンパク質から遊離した鉄イオンは、有害であるため鉄貯蔵タンパク質であるフェリチンに蓄積されます。本研究ではフェリチンタンパク質を介した鉄の再利用に必要な発現機構、輸送系の解明を試みています。