活性構造化学研究室
Laboratory of Natural Products Chemistry
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研究概要
現在使用されている医薬品や農薬などには,もともと天然に存在する植物や微生物が産生する化学成分として見いだされた物質(天然有機化合物)が多く存在しています.
そこで,当研究室では,植物や微生物から,新しい天然有機化合物(天然物)や特徴的な生物活性を有する天然物を探索し,その機能の解明等を行う、天然物化学研究を行っています.詳細な研究内容は下記の通りです.
1.天然資源コレクションの構築
自然界に存在する天然資源から,これまでに多様な天然物が単離,構造決定されてきた.そこで,私達は,植物や微生物等の天然資源を独自に収集・保存し,天然資源コレクションやその抽出物コレクションの構築を進めている.このコレクションを用いて天然物探索を実施している.
2.微生物の休眠遺伝子活性化手法の開発
微生物のもつ,天然物の産生に関与する生合成遺伝子は,その多くが休眠状態であることが明らかにされている.そこで,この休眠遺伝子の活性化に繋がる,様々な微生物培養法を実施・開発し,新規天然物の取得を目指している.この培養の実施・開発は,1. で示した天然資源コレクションの拡充にも繋がる.
近年,私達は,動物細胞存在下での微生物の培養(「微生物」x 「動物細胞」の共培養)による新たな天然物探索手法を提唱し,微生物のみの培養では産生されない新規天然物を見出した (
J. Nat. Med.
2018
,
Org. Lett.
2018
等).
3.新規天然物や生物活性天然物の探索
1. および2. で構築した天然資源コレクションを,がんや関節リウマチ,感染症などを標的とした多様な生物活性試験や,TLCやHPLCなどによる網羅的分析を用いて,スクリーニングする.その後,選択した天然資源抽出物を分離・精製し,新規天然物や生物活性天然物の単離・構造決定を進めている.単離した天然物については,その機能解明や生合成遺伝子の推定等を試みている.
図. 研究概要