香川大学農学部

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応用研究                   
自然界からの粘液細菌の分離と生理活性物質の検索


抗生物質は我々人間にとって細菌感染から身を守る重要な物質で、現在まで見出されてきた抗生物質の約2/3は、放線菌から見出されてきました。しかし、多くの研究者によって土壌等から放線菌の分離がなされてきたため、新規な放線菌の分離は容易ではありません。
 一方、粘液細菌は、最も多くの遺伝子を有する細菌であることから、多種多様な2次代謝産物を生産する能力を有していると推定されていますが、難培養性細菌のため土壌からの分離が難しく、また、生育が遅いため日本では粘液細菌の分離はほとんどなされていません。
 アメリカでは粘液細菌から分離された乳がんなどに効く抗がん剤が使用されており、私達の研究室では、粘液細菌を自然界から分離し、分離した粘液細菌から生理活性物質の探索を行うことで新規な有用生理活性物質(抗生物質、抗がん剤、免疫抑制物質等)を見出すことを目的に研究を行っています。
 現在、土壌から粘液細菌を分離、純化する方法と大量培養方法の検討及び分離した粘液細菌からの有用物質の検索を試みています。



自然界から分離した粘液細菌の胞子で満たされた子のう写真



 

 
 

香川大学農学部
微生物生理学研究室
木村義雄

Microbial Physiology Lab.
Dept. of Applied Biological
Science.微生物生理学研究室

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