演題 「複雑な植物由来多糖類を分解する 微生物の緻密な酵素システム」
講師 松沢 智彦、香川大学農学部・助教
日時 2021年12月21日(火)17:00 – 18:00
場所 香川大学農学部 DS304
要旨 植物は進化の過程において堅牢かつ柔軟な細胞壁を獲得した。この植物の細胞壁は多糖類やリグニン等によって構成されており、特に多糖類は種々の構造的複雑さを有している。
微生物はこの複雑な植物由来多糖類を分解するために進化の過程において様々な分解酵素を獲得したと考えられる。本セミナーではこれまでに同定した微生物が生産する植物由来糖質の分解酵素について発表する。特に、醸造産業において重要な麹菌Aspergillus oryzaeが生産するキシログルカン(植物の細胞壁や種子に含まれる多糖類)の分解に関与する酵素について、各酵素の機能と、基質分解過程における酵素間の協調的作用に焦点を当て、微生物の緻密な分解戦略について議論する。