第10回 日本生態学会奨励賞(鈴木賞)を受賞

【農学部広報担当】

 このたび農学部安井研究室の日本学術振興会特別研究員(PD)松村 健太郎博士が生態学者の若手登竜門である日本生態学会奨励賞(鈴木賞)を受賞し、2022年3月15日に第69回日本生態学会全国大会において表彰され、受賞講演を行いました。

 研究タイトルは「昆虫の歩行移動に対する進化生態学的研究」で、モデル昆虫のコクヌストモドキ(Tribolium castaneum:甲虫目ゴミムシダマシ科)を対象として、雄における移動活性と繁殖形質の関係を調査したものです。博士はまず、コクヌストモドキの移動活性に対する人為選抜を行い、移動活性が高い(H)系統と低い(L)系統を確立しました。そしてこの選抜系統を用いて、雄の繁殖形質の調査を行いました。その結果、雄の魅力度(性フェロモンの分泌量)はL系統の雄の方がH系統よりも有意に高いが、H系統の雄の方がL系統よりも交尾回数が有意に多いことを見出しました。この結果は、H系統の雄は移動することで雌の探索を行う一方で、L系統の雄は高い魅力度で雌を誘引させて交尾を行うことを示唆しています。複数の適応的形質間の遺伝的トレードオフを検出したことが高く評価されました。今後のさらなる展開が期待されます。