第8回公開セミナー, July 11, 2014.

演題 「タンパク質リン酸化を介した細胞内情報伝達機構」

講師 杉山 康憲、香川大学農学部・助教

要旨 生物は環境の変化に対応するため、外界からの刺激に応答して細胞内へと情報を伝達する仕組みを持っている。これらの中でもタンパク質リン酸化を介した細胞内情報機構は細胞の分化、増殖、アポトーシスといった様々な生命現象や癌をはじめとする多くの疾病に深く関与している。

哺乳動物にはタンパク質リン酸化を担うプロテインキナーゼが約500種類存在しており、その活性、発現量、細胞内局在、発現組織は刻々と変化している。そのため、これらプロテインキナーゼの全体像を解析できれば生命現象の解明や疾病の原因究明において非常に重要な意味を持つ。このような背景の中、プロテインキナーゼ間で高度に保存された領域を認識することによりプロテインキナーゼを幅広く検出できるモノクローナル抗体(マルチPK抗体)を作製した。今回の発表では、マルチPK抗体の紹介および、この抗体を利用した応用研究として2型糖尿病、エピジェネティクス、概日時計の分子メカニズムに関わるプロテインキナーゼの解析について報告する。

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