昆虫の世界から生物の進化生態を探る

 農学部の安井行雄(Yasui, Yukio)准教授は、生物がより良い遺伝子を選択するための自然の法則を解明しようとしている。安井准教授は、コオロギ・ダニ・ホウネンエビ等の交尾行動の分析から、両賭け(bet-hedging)理論を提唱し、進化生態学や行動生態学の第一人者として知られる。良い遺伝子を残すための巧妙な法則に触れることで、自然界の奥深さを感じるという。

 また、自然界における多様性の法則を一つでも明らかにするために、カミキリムシ・玉虫・蝶や蛾等の貴重な昆虫標本を収集し、それらの中には極めて貴重なコレクションも含まれる。自然界には未知な事柄が多く、例えば動物等で見つけられた普遍的と思われる理論が、昆虫には全く当てはまらない場合もあり、ヒトの理解では及びつかない発見に満ち溢れている、と安井准教授は語る。

 両賭け(bet-hedging)理論は、短期的な効率を下げてでも長期的な存続確率を上げるという理論であり、環境変化の中で生物が持続的に生き残るための戦略として、SDGsにも深く関連している。地球温暖化等の問題が大きくなりつつある昨今、安井准教授の研究に期待したい。

参考リンク先:

・日本動物行動学会の学術雑誌Journal of Ethologyのエディターズチョイス2021を受賞

→ https://www.ag.kagawa-u.ac.jp/?p=27204

・カダイラボ(香川大学ホームページ) 

→ https://www.kagawa-u.ac.jp/kadailab/22540/

・研究紹介(農学部ホームページ)

https://www.ag.kagawa-u.ac.jp/?research=%e5%ae%89%e4%ba%95%e8%a1%8c%e9%9b%84%e3%80%80%e9%80%b2%e5%8c%96%e7%94%9f%e7%89%a9%e5%ad%a6

・リサーチマップ(科学技術振興機構)

→ https://researchmap.jp/read0195371

・日本国際賞 2022 Japan Prize 「生物生産・生態・環境」審査部会委員

→ https://www.japanprize.jp/prize_process.html#selectionmember