昆虫タンパク質で新しい飼料創りに挑戦する!

 近年メディアを通して「SDGs:持続可能な開発目標」というワードを目にする機会が増えています。特に食料生産の現場では、既存の食料・飼料に代わる資源として昆虫が注目されています。食用として特に注目されている昆虫としてはコオロギやミールワームですが、これらの昆虫は従来の家畜に比べ少ない水や飼料、土地で飼育可能であり、アミノ酸組成も優れていることから優れたタンパク質資源であると考えられています。

 一方で、飼料用としてはアメリカミズアブという昆虫が注目されています。アメリカミズアブは焼却処分されている野菜屑で飼育可能であることから、温室効果ガス排出量を低減しながら飼料原料を得ることができます。さらに、家畜の飼料には魚粉や脱脂粉乳など天然資源や人の食料と競合するものが利用されていますが、これらの原料と昆虫粉末を代替することでより持続可能な食料生産を実現可能であると考えられています。

 そこで私たちは、昆虫粉末の家畜用飼料としての有用性を調べています。

 以前、採卵鶏に魚粉と昆虫粉末を代替した飼料を1年間与えたところ、卵黄重の増加や死亡率の低下などの生産性が向上する結果が得られました。現在は、採卵鶏の生産性を向上させた要因(機能性分子や作用メカニズム)の解明を目指しています。

 さらに、日本の大学の中でも有数の恵まれた環境を備えている香川大学農学部附属農場を利用して、養豚業における昆虫粉末の有用性を明らかにするために、世界に先駆けて母豚や子豚、肥育豚への給餌試験を実施しています。今後は豚肉の品質に及ぼす影響も明らかにしていく予定です。

飼料タンク

魚粉      昆虫粉末