-1024x797.jpg)

天然物 (天然有機化合物) とは、植物や微生物などの生物が、その体内で創り出す化学物質のことです。病気の際に使う医薬品や、野菜を栽培する際に使う農薬には、この天然物由来のものが多く使われています。例えば、みなさんが一度は聞いたことがある、「モルヒネ」や「ペニシリン」といった物質は、それぞれ植物や微生物から見つけ出された天然物で、医薬品として用いられています。そのため、天然物を探すことは、薬を創る研究の起点とも考えられます。
そこで、私たちの研究室では、未知の天然物や、医薬品や農薬開発に繋がる可能性を秘めた天然物を探しています。

具体的には、フィールドワークにより収集した植物や微生物の抽出物を、がんや関節リウマチ、感染症などを標的とした生物活性試験や成分分析によりスクリーニングを行い、選択した天然資源の抽出物から、生物活性を持つ天然物や未知の天然物を見つけ、その機能の解明などを進めています。

また、微生物のもつ天然物産生に関与する遺伝子群は、その多くが眠っている状態であり、この遺伝子を活性化することで、未知の天然物を得られる可能性があります。そこで、この休眠遺伝子の活性化に繋がる、「微生物と動物細胞の共培養」などの微生物培養法を開発・実施し、未知の天然物の取得を目指しています。



このページの管理者:農学部広報担当