日本動物行動学会Editor’s Choice Award 2022(第9回Journal of Etholgy論文賞)

 Journal of Ethology 編集委員会は各巻の掲載論文のなかからEditor’s Choiceを選考し、その第一席をEditor’s Choice Award(Journal of Etholgy論文賞)として決定しています。

https://www.ethology.jp/JE.html?0

研究概要

 生き物にはなぜ雄と雌がいるのか、この問いはなぜこの世に男と女がいるのかに通じる、生物学を超えた根源のテーマです。特に自ら子を産まない雄がなぜ存在するのかは古代ギリシアの哲学者アリストテレスも疑問視しています。ある種の昆虫や爬虫類、魚類などで知られているように、雌が単為生殖(処女生殖:セリトキー)で雌ばかりを産めば、人間のように雄と雌をほぼ半数ずつ産む(アニソガミー)のに比べて毎世代2倍、10世代後には1024倍の個体数の差となり、アニソガミーは競争に負けて絶滅してしまう。その予測に反して、なぜ多くの生物に雄と雌がいるのか。私は人生をかけてこの人類永遠の謎に挑み、ついに答えを出した。研究は2編の論文にまとめられ、その第一論文がこの受賞につながり、第二論文もまもなく公表されます。

論文

The origination events of gametic sexual reproduction and anisogamy (配偶子生殖と異型配偶の起源について)By Yukio Yasui & Eisuke Hasegawa (Volume 40, Issue 3, pp 273-284) https://doi.org/10.1007/s10164-022-00760-3

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