乳化物の品質を制御する

 マヨネーズやクリームなどの食品は、顕微鏡レベルでみると、水の中に非常に細かな油滴(1 mmの数百~千分の一程度)が分散した状態となっています。このような状態にあるものを、専門的な言葉で、「乳化物(エマルション)」と呼びます。食品の他にも、化粧品や医薬品、香料、インクなど、みなさんの生活の様々な場面で、乳化物が応用された製品を目にすることが出来ます。

 乳化物を作るときには、水と油を撹拌して混ぜ合わせる必要があります。しかし、水と油だけで撹拌をしても、撹拌をとめると、すぐに水と油が二層に分かれた元の状態に戻ってしまうでしょう。そこで用いられるのが、水と油の両方になじみやすい性質(両親媒性)を持った乳化素材です。乳化素材は、水と油の境界(界面)に吸着することで、撹拌中に生じる細かな油滴を保ち、乳化物が出来るのを助けてくれます。

 乳化素材には、化学合成される界面活性剤や天然のタンパク質など、様々なものがありますが、近年では、乳化素材に求められる機能も多様化しています(乳化物の長期安定化、加熱や冷凍への耐性付与など)。また、食品産業の持続可能性を高めるためには、環境にやさしい乳化素材の開発も必要です。そこで当研究室では、既存の乳化素材の物理的・化学的処理による改良や、植物から高性能な乳化素材を見出す試みなどを行っています。

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研究者経歴

https://www.kards.kagawa-u.ac.jp/profile/ja.23d9f3c6a085f0e4edc27b186c88b5bc.html

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