脇悠太さん、山本悠渡さん、松村健太郎さんが2023年度日本甲虫学会賞論文賞を受賞

 豊田鮎研究室OB(2022年春修士学位取得)の脇悠太さん、安井研究室に所属の連合大学院2年の山本悠渡さん、安井研究室元学振特別研究員PD(2020~21年度在職)の松村健太郎さん(博士)が2023年度日本甲虫学会賞論文賞を受賞し、12月2日(土)愛媛大学農学部にて開催された日本甲虫学会第13回大会・日本昆虫分類学会第26回大会合同大会において表彰を受けました。これは若手奨励賞ではなく、甲虫学に関する優れた内容の研究論文に対して年齢にかかわらず与えられるものです。

 本研究は、海岸に生息する飛翔能力を持たない甲虫であるハマベゾウムシIsonycholips gotoiに関するものです。昆虫は様々な環境に適応してきた生物ですが、海水に曝され、水位や温度変化が激しい海岸への適応は難しいと考えられます。一方で、そのような海岸環境にも生息する海岸性昆虫が知られており、いくつかの種は絶滅が危惧されている状況です。我々は、海岸性昆虫であるハマベゾウムシの分布と海岸環境の関係、また、その特異的な脚の形態の調査を行いました。その結果、ハマベゾウムシの分布は海岸を構成する粒子のサイズに強く依存することが明らかになりました。さらに、ハマベゾウムシの脚は根元よりも先端の方が太くなる特徴を持ち、これは砂浜上の歩行を容易に行う上で効果的である可能性が示唆されました。本種も絶滅が危惧されている昆虫であるため、本研究結果は海岸性昆虫が海岸に適応できた要因の解明やその保全に貢献できるかもしれません。

論文タイトル

WAKI, Y., YAMAMOTO, Y., and MATSUMURA, K. (2023). Habitat Characteristics of Coast Environments and Leg Morphology in the Flightless Supralittoral Weevil Isonycholips gotoi (Coleoptera, Curculionidae)

掲載載誌

Elytra. New series 13 (1), 163-173, 2023-05

左から山本、脇、松村の三氏

賞状

 記念盾

このページの管理者:農学部広報担当