農学部の藤田政之(Fujita, Masayuki)教授は、植物に様々なストレスを起こすメカニズムや、これらのストレスを軽減させる術に関する基礎研究を進めている。藤田教授はこれらの研究分野の第一人者で、研究論文が引用された回数は、世界研究者の上位0.1%との極めて高い評価を受けている(下記リンク先参照)。
自然界には一過的な様々なストレスが存在する。例えば、塩ストレス(土壌に塩分が多すぎると植物は枯死することもある)や毒性の高い重金属ストレス等は良く知られる環境ストレスとしてあげられる。それでは、植物はこれらの環境ストレスにどのように反応して、どのようにそのストレスに耐えているのだろうか。藤田教授は、これらのストレスによって引き起こされる植物内での様々な反応を明らかにし、それらの結果から植物細胞での活性酸素種の除去や重金属を排除・無毒化することで、植物ストレスを軽減できると考えている。
このような植物ストレスの軽減につながる物質を、ファイトプロテクタント(=植物を防御する物質)と捉えて、水耕栽培等で新しいタイプの農薬・農業資材として活用できないだろうか。研究はまだ研究室レベルとのことであるが、環境にやさしいSGDsのマインドに富んだ藤田教授の研究に期待したい。

抗酸化防御系を構成するAsA-GSH pathwayとmethylglyoxalを消去するglyoxalase systemは環境ストレス耐性機構におけるプラットホーム 環境ストレスと植物保護物質によるダメージ軽減の基礎研究はバイオスティミュラントの開発に発展
参考リンク先:
・藤田政之教授がクラリベイト・アナリティクス社の【2021年高被引用論文著者(Highly Cited Researchers 2021)】に選出
→https://www.kagawa-u.ac.jp/2021highly-cited-researchers-2021/
https://www.ag.kagawa-u.ac.jp/?p=26957
・研究者紹介
→https://researchmap.jp/read0171099
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