【研究概要】
植物、微生物、動物は様々な有機化合物を生産し、外敵から身を守ったり仲間とコミュニケーションを取ったりするための道具として利用しています。こうした生物由来物質の中には病気の発症および進行を抑える化合物も含まれていることから、自然界は医薬品の宝庫と考えられます。私たちは、膨大な天然有機化合物の中から医薬品として有望なものを選抜することを目的として、培養細胞を用いた評価方法を開発しています。
また、疾患を抑制する能力を有していながら、同時に副作用を示すために活用できていない化合物も多数存在します。私たちは、このような化合物の構造を有機合成によって改変することで、副作用を取り除いた新しい薬剤の創出を目指しています。
【最近の研究】
子宮内膜細胞は子宮内壁の分泌腺をつくる細胞であり、受精卵の着床や妊娠の維持において重要な役割を果たしています。本来は子宮内壁で機能すべき子宮内膜細胞が、筋層に浸潤すると子宮腺筋症、悪性転化すると子宮体がんを引き起こします。私たちは筋層の主成分であるコラーゲンが、子宮内膜細胞の過剰な増殖・浸潤能の獲得に関与している可能性を見いだしました(Hanaki, Y. et al., Biosci. Biotechnol. Biochem. 2022, 86, 1417)。そこで現在、コラーゲン上で培養した子宮内膜細胞の特徴的な形態を指標として、婦人科疾患治療薬のスクリーニングを進めています。
参考文献
12-O-Tetradecanoylphorbol 13-acetate promotes proliferation and epithelial–mesenchymal transition in HHUA cells cultured on collagen type I gel: A feasible model to find new therapies for endometrial diseases. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 86 (10), 1417-1422 (2022).
研究室ホームページ
https://www.ag.kagawa-u.ac.jp/hanaki/
https://www.instagram.com/hanaki_lab/
研究者経歴
https://researchmap.jp/yhanaki
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