小麦について語る「讃岐うどんとマンマのパスタ」の開催について

2025年11月4日、農学部において、イタリア南部カラブリア料理の第一人者として知られるAgri Chef エンツォ・バルビエーリ(Enzo Barbieri)氏を招いて『小麦について語る「讃岐うどんとマンマのパスタ」』を開催しました。

このイベントは、「しおつなぎアミーチアリーチ2025 秋」(主催:伊吹島プロジェクト)(11月4日~6日開催)の初日のプログラムとして開催されたものです。

エンツォ・バルビエーリ氏の自社農園はBIO(有機農業)認証を受けており、野菜や果物、オリーブオイルなどを自ら生産しています。地産地消を徹底し、料理に土地の恵みを余すことなく取り入れており、国内外の美食フェスティバルや文化交流事業でも高く評価され、レストランは「カラブリア美食の殿堂」と称されております。

イベントでは、本学部でパスタ用およびうどん用小麦の研究をしている水田助教を中心に、食料生産、食品関係などの教員や学生たちが、エンツォ・バルビエーリ氏夫妻とともに「うどん作り」や「パスタ作り」を体験・交流しました。

始めに、農学部の学生3名がスライドを使って英語でうどんの作り方を紹介しました。この学生たちは、語学教員であるLUTES教授、KHALIFE講師が指導する学生たちであり、これまで海外研修プログラムにおいて現地で「うどん作り」を披露した経験もあります。

続いて、蔬菜園芸に関する研究を行っている奥田教授より、「うどんの豊かな文化は、トッピング・薬味にあり!」。名脇役である薬味は、香りや味を引き立てるだけでなく薬膳的な効果にも期待できるとして、ネギ・ショウガ・ダイコンについて紹介がありました。

また、髙村教授からは、トウガラシの香川県伝統品種である「香川本鷹」についての説明があり、バルビエーリ氏も興味深そうに質問をされておりました。

その後は、バルビエーリ氏も一緒に、水田助教の指導のもと、農学部の学生・教員でうどんづくり体験を実施しました。農学部での講義では「うどん学」があります。参加した学生のなかには、うどん学で体験したことのある学生も多いようでした。讃岐うどんの特徴は、やはり「足踏み」。バルビエーリ夫妻も驚いた様子でしたが、しっかり体験していただきました。

うどんの試食に続いては、いよいよ学生も楽しみにしていたバルビエーリ氏夫妻からのパスタのつくり方のレクチャーです。素晴らしい手捌きでパスタ(ジャガイモを使用しないニョッキ)が出来上がっていきます。学生たちも教えてもらいながら体験しておりましたが、見るのとやってみるのは大違いのようで最初は少し苦戦している様子でした。味付けは、バルビエーリ氏によるカタクチイワシのペーストとオリーブオイルを合わせたもので、非常に絶品でした。

イタリア・フスカルドと日本・香川では「小麦」であったり「イリコ」といった食材であったり食文化に共通点も多いようです。野菜や果物、オリーブオイルなどを自ら生産。地産地消を徹底し、料理に土地の恵みを取り入れるバルビエーリ氏と農学部の教員、学生にも共通した思いが多いようで、今回の交流を通じて、学生たちにとって貴重な体験となりました。

このページの管理者:農学部広報担当